たとえば「誕生パーティー」の場合、人の誕生日を祝うことは、間接的に自分の誕生日を祝うことにつながります。当事者も参加者も「幸せ」な時間と思い出を共有できます。「参加すると楽しいよ!」という「価値」に大勢が惹かれるのです。

 一般的な商品やサービスも同じです。ほとんどのものは、なくても人が生きていくうえで困ったりしません。ですから、これから人に伝えたい商品、サービスには、「使ってみると楽しいよ! もっと幸せになれるよ!」という「価値」がないと広まっていきません。

伝わりやすい「価値」が、発想の段階から含まれているかどうかが、そのアイデアの口コミを左右します。

「パーティー」は、人数が増えれば増えるほど盛り上がります。そして準備に手間がかかります。ですから参加者には、「可能な範囲で、それぞれ何かお土産を持ち寄ってもらえませんか?」と、よくお願いしますよね。

 この参加者の「楽しそうだから、何か持ち寄るよ!」という気持ちこそが、「パーティー」のアイデアをマネタイズした、ということです。

 マネタイズにつながるよいアイデアとは、単なる「消費」の対価だけではなく、「期待感」「幸せ」の対価を生むことのできるアイデアです。

 広め方も伝え方も技術化することで、100%相手の心に届くのです。


「口コミの最大化」テクニックを、本書ではいくつか紹介している。材料と調味料の組み合わせで何種類もの味が生まれるように、アイデアのPRもまた、調整次第で効率化できる。

次回(3月14日掲載)は、「長く愛されるために必要なものは何か?」という問いに、国民的番組を数多くプロデュースしてきたノウハウからご紹介する。

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巷にあふれるヒット商品やサービス。すべて、アイデアに秘密があります。しかし、どんなに凄いアイデアでも、紐解けば「テクニック」によるもの。アイデアにオリジナルは存在せず、似たようなアイデアは、すでにこの世に存在しています。表現に「テクニック」が使われているにすぎないのです。その「テクニック」、「3つのステップ」から始めれば普通の人でも手に入れられます。センスに勝るアイデアは、だれでも必ず生みだせるのです!

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