ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
出口治明の提言:日本の優先順位

TFP《全要素生産性》をみんなで考えてみよう

出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役会長]
【第111回】 2014年3月18日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 今年の1月、内閣府に「選択する未来」委員会が発足した。これは経済財政諮問会議の下に設置された調査会で、半世紀後の未来を見据えながら、東京オリンピック・パラリンピックが開かれる2020年頃までにわが国が取り組まなければならない中長期的な課題への対応方向、大きな枠組みを示すことをその狙いとしている(年内に最終報告をまとめる予定)。

 3月12日、その第4回会合が開かれたが、席上配布された2枚の図表を見ると、とてもいろいろなことを考えさせられるので、ここに紹介したい。

TFPを伸ばすことが
必要不可欠

 1枚目の図表はこれである。

 半世紀先(2060年)を見据えると、わが国の労働力人口は、出生率が回復し(2030年に合計特殊出生率が2.07%まで上昇。因みに2012年は1.41%であった)、かつ女性がスウェーデン並みに働き、高齢者が今より5年長く働いたとしても、2060年には、現在の6577万人が5400万人程度まで減少する(約18%減少)。ワーストシナリオ(現状継続ケース。即ち経済成長も達成できず労働参加も進まず出生率も回復しない場合)では、実に3800万人を切るレベルにまで落ち込む(約42%減少)。普通に考えれば、あるいは民間であれば、おそらく現状継続ケースの方がメインシナリオとなるだろう。

 何故なら、5400万人シナリオの方は、余りにも楽観的な想定をいくつも積み重ねているからだ。この表を見れば、誰しも、今こそ人口を増やす政策を総動員しなければ取り返しのつかないことになる、と考えるだろう。しかし、今回は、人口問題はあえて素通りして2枚目の図表に焦点をあててみたい。次のページの図表がそれだ。

次のページ>> TFPとは何か
1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役会長]

1948年、三重県美杉村生まれ。上野高校、京都大学法学部を卒業。1972年、日本生命保険相互会社入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当。生命保険協会の初代財務企画専門委員会委員長として、金融制度改革・保険業法の改正に従事。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て同社を退職。その後、東京大学総長室アドバイザー、早稲田大学大学院講師などを務める。2006年にネットライフ企画株式会社設立、代表取締役就任。2008年に生命保険業免許取得に伴い、ライフネット生命保険株式会社に社名を変更、同社代表取締役社長に就任。2013年6月24日より現職。主な著書に『百年たっても後悔しない仕事のやり方』『生命保険はだれのものか』『直球勝負の会社』(以上、ダイヤモンド社)、『生命保険入門 新版』(岩波書店)、『「思考軸」をつくれ』(英治出版)、『ライフネット生命社長の常識破りの思考法』(日本能率協会マネジメントセンター)がある。

ライフネット生命HP

 


出口治明の提言:日本の優先順位

東日本大地震による被害は未曾有のものであり、日本はいま戦後最大の試練を迎えている。被災した人の生活、原発事故への対応、電力不足への対応……。これら社会全体としてやるべき課題は山積だ。この状況下で、いま何を優先すべきか。ライフネット生命の会長兼CEOであり、卓越した国際的視野と歴史観をもつ出口治明氏が、いま日本が抱える問題の本質とその解決策を語る。

「出口治明の提言:日本の優先順位」

⇒バックナンバー一覧