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長期化するウクライナ問題
回復途上の欧州経済に打撃

田中 理 [第一生命経済研究所主席エコノミスト]
2014年4月15日
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ウクライナ情勢は問題長期化の様相を強めている。世界経済にとっては重しが続く。事態が悪化した場合、懸念されるリスクは何か。もちろん、日本も無関係ではいられない。

クリミア編入条約に調印するロシアのプーチン大統領(中央)。米国や欧州は反発するも、現状では強い制裁を科せず、事態は膠着している
Photo by Sasha Mordovets/gettyimages

 国際社会の批判をよそに、ロシアはウクライナ南部・クリミア半島の編入手続きを進めている。欧米諸国による経済制裁強化や国連総会での編入無効決議も、ロシアを思いとどまらせる可能性は低い。編入の既成事実化が進むことになろう。

 もっとも、ロシアと欧米諸国との全面的な軍事衝突や、親欧州派・親ロシア派住民の対立先鋭化は回避されてきた。また、欧米の経済制裁とロシアの報復措置も、一部個人の資産凍結や渡航禁止が中心で、国際的な経済活動や国際商品市況に与える影響は、今のところは軽微だ。

 ロシアはウクライナとの国境周辺の兵力を増強するなど軍事的な威嚇を続けており、事態は引き続き予断を許さない。

 ただ、ウクライナの新政権を率いるヤツェニュク首相が、ロシア系住民の権利保護や自治拡大に理解を示しているほか、同国が北大西洋条約機構(NATO)に加わらず、軍事的な中立を保つ可能性を示唆するなど、ロシアに配慮する姿勢もにじませている。

 欧米諸国は、ロシアがクリミア以外のウクライナ東南部でさらなる軍事介入に踏み切る場合にはエネルギー分野を含む追加の経済制裁措置に動くと警告を発している。ロシアは国境周辺に展開する部隊の一部撤収を始めるなど、緊張緩和に向けた動きも出始めている。

 このまま膠着した状況が続き、一段の経済制裁強化や軍事的な緊張が高まらない限り、ウクライナ情勢が日本および世界経済に及ぼす影響は軽微にとどまるだろう。

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