局アナからフリーアナウンサーとして活躍の幅を広げる小林麻耶さんが日本国憲法を読み上げる『「聴く」日本国憲法』。58万部突破のベストセラー『伝え方が9割』の著者でコピーライターの佐々木圭一氏はこれをどう聴いたのでしょうか。BS朝日『ポップメイカー』でも共演する2人が音声と活字、メディアで伝えることに、こだわることとは。
(取材・構成/森 綾 撮影/小原孝博)
憲法でも語尾に小林麻耶らしさが!?
佐々木 『ポップメイカー』ではお世話になっています。いつも隣りに並んでいるので、こうして向かい合うと緊張しますね。
小林 そうですね!私も緊張します。番組が始まって4ヵ月経ちましたが、初めて向かい合いましたね。今日はよろしくお願い致します。佐々木さんは生放送のMC、初挑戦だったんですよね?
佐々木 はい。「MCって何?」くらいに僕はテレビのことを知らなくて……。ところでこの『「聴く」日本国憲法』で、憲法を読み上げていらっしゃる小林さんは、僕が番組で知っている小林さんとはちょっと違いますよね。
小林 どんな風に違いますか?
佐々木 僕らの知ってる小林さんは可愛らしくてワンピースを着て笑っているという感じだけれど、憲法を読む小林さんはスーツを着ている感じ。発声法も違うんじゃないですか。
小林 あまり意識はしていないのですが、「アナウンサー」の仕事の時は、スタジオや録音ブースに入ると、自然と呼吸法や意識が変わるような気がします。今回は「聴く日本国憲法」で憲法全文を朗読させて頂いたのですが、憲法のCDというと、重厚感があり、硬くて、背筋がピシッとのびるようなイメージが私の中であったので、低めの声で練習を重ね、
「小林麻耶の新たな境地か?!」と相当、意気込みました。いよいよ録音スタート!
すると、すぐにスタッフさんから「低めの声ではなく、普段の声で読んで欲しい」と言われたのです。
佐々木 オーダーは違ったわけですね。
小林 はい。「国民のために存在する憲法が、今は遠い存在になっている。憲法をもっと身近に感じてもらいたい。」という企画意図の説明をしていただき、なるほど!と納得しました。そこから、自然に読むことを心がけました。
佐々木 そういうことだったんですね。とはいえ、テレビで見る小林さんとは違う声の魅力があります。声でそこまで表現できるんだって軽い驚きがありました。この本の朗読は、前文から始まるんですよね。
小林 前文の前に、上諭があります。
佐々木 前文の冒頭の部分など、「しっかり伝えるぞ」みたいな感じが、すごく伝わってくるんです。とはいえ、語尾のところに小林さんらしさがあるなと(笑)。
小林 (笑)出ちゃってました?