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3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

あまりに多くの選択肢が若者を悩ませる

上田惇生
【第48回】 2008年4月1日
著者・コラム紹介バックナンバー
断絶の時代
ダイヤモンド社刊
2400円(税別)

 「知識は仕事や技能をなくしはしなかったが、仕事の生産性と働く者の人生を大きく変えた」(『断絶の時代』)

 かつては、就ける職業は出自によって、ほぼ定められていた。ところが、知識が、職業を選べる社会に変えた。今ではいかなる種類の知識を使い、いかなる種類の仕事に就いても、一応の生活を送れるようになった。これこそ新しいことだった。

 かつて教育を受け、知識によって生計を立てられたのは、ごく狭い範囲の専門職、つまり僧侶、医師、弁護士、教師、そして新参の職業たる官吏だけだった。技術者が登場したのさえ19世紀末だった。

 ところが今日、たとえば数学が好きな子には、機会は無数にある。しかも、ニュートン並みの才能は必要としない。

 教育が特権であり、知識が稀少物だったのが、わずか100年前である。ところが知識がものをいう社会は、これからが本番である。 

 さらなる豊かさを求めるにせよ、地球を救い自然に生きるにせよ、恵まれない国の人たちに手を差し伸べるにせよ、まず必要とされるものが知識である。そしてその主役は、先進国の才能と意欲のある教育を受けた若者であるはずだ。

 「今日、先進国社会は自由意志によって職業を選べる社会へと急速に移行しつつある。今日の問題は、選択肢の少なさではなく、逆にその多さにある。あまりに多くの選択肢、機会、進路が若者を惑わし悩ませる」(『断絶の時代』)

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上田惇生(うえだ・あつお) 

 

ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授。1938年生まれ。61年サウスジョージア大学経営学科留学、64年慶應義塾大学経済学部卒。経団連、経済広報センター、ものつくり大学を経て、現職。 ドラッカー教授の主要作品のすべてを翻訳、著書に『ドラッカー入門』『ドラッカー 時代を超える言葉』がある。ドラッカー自身からもっとも親しい友人、日本での分身とされてきた。ドラッカー学会(http://drucker-ws.org)初代代表(2005-2011)、現在学術顧問(2012-)。

 


3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

マネジメントの父と称されたドラッカーの残した膨大な著作。世界最高の経営学者であったドラッカーの著作群の中から、そのエッセンスを紹介する。

「3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言」

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