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田中秀征 政権ウォッチ

憲法の液状化が始まった!
――集団的自衛権は必要か?(3)

田中秀征 [元経済企画庁長官、福山大学客員教授]
【第233回】 2014年5月15日
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 安倍晋三首相はいよいよ「集団的自衛権の行使」に向けて本格的に動き出した。

 有職者懇(いわゆる安保法制懇)の報告を受けて、閣議決定のための具体的スケジュールに入るのだ。

 首相は与党内の慎重論を押し切るために、“解釈改憲”と“限定的容認論”という2つの禁じ手を駆使して有無を言わせず突き進んできた。

 この2つの禁じ手を使うことは、日本の今後の国家統治に測り知れない傷を負わせるに違いない。

 自民党内の慎重派有力議員が白旗を上げて解釈改憲を認めたときのコメントには驚く他はない。

 「憲法改正は難しいから」
 「憲法改正は時間がかかるから」

 実に不見識きわまる弁明が聞かれた。

 それでは、大学の入学試験が難しいから裏口入学するというのと大差がない。

 「難しいから」とか「時間がかかるから」と言って、憲法の改正手続きを踏まず解釈の変更で済ませるなら、改正手続きは必要ないし、そもそもそんなものなら憲法さえ必要がなくなるではないか。

私が憲法解釈の変更に
賛同できない5つの理由

 私は今回の政府による憲法解釈の変更には断じて賛同できない。主たる反対理由や心配は次のようなことである。

 ①憲法9条に関わる部分は、日本国憲法の根幹部分。国民主権、基本的人権の条項と並ぶ言わば根本規範とされてきた。他の多くの条項とは重みが違うのである。

 もちろんそれも96条の手続きを踏めば改正できるが、とても政府の解釈の変更によって変えることはできない性質のものだ。

 言ってみれば、今回の解釈変更はお寺の本尊を信徒の意見も聞かず勝手に変えるようなことだ。

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田中秀征 [元経済企画庁長官、福山大学客員教授]

1940年長野県生まれ。東京大学文学部、北海道大学法学部卒業。
83年、衆議院議員初当選。93年6月、新党さきがけ結成、代表代行。
細川政権発足時、首相特別補佐。第一次橋本内閣、経済企画庁長官。
現在、福山大学客員教授、「民権塾」塾長。


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かつて首相特別補佐として細川政権を支えた田中秀征が、期待と不安に溢れた現政権の動向を鋭く斬り込む週刊コラム。刻一刻と動く政局をウォッチしていく。

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