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日の丸製造業を蘇らせる!“超高速すり合わせ型”モノづくりのススメ

ソニーの光と影に日の丸製造業復活の金言あり!
伝説の大曾根語録に見る「死なない遊び心」の育て方

松本晋一 [株式会社O2/株式会社XrossVate/株式会社安田製作所代表取締役]
【第8回】 2014年5月21日
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現場で耳にする残念な声の数々
「ソニーDNA」は本当に失われたのか?

 ソニーのDNAは失われてしまったのだろうか。消費者をワクワクさせたソニーは終わってしまったのだろうか?

 筆者の答えは「ノー」である。

 ソニーの「ゲンバ」には、ソニーイズムがいまだ残っている。ソニーらしい技術者に、筆者は今でも出会う。ただし、以前よりもその量や質に変化が生じていることは否めない。そして、何よりも残念なのは、マネジメントの分野で「ソニーDNA」の申し子のような人が減っていることだ。

 30歳、40歳の技術者と会話をすると、自分が創り出したいモノを必死に探究している輝きに出会う。新しい刺激に飢えている。

 「今、欲しいものは何? マイブームは?」「この素材の触感、どう?」 

 しかし、年輩のソニー関係者と話をすると、残念な気持ちになる瞬間がある。「誰がどの事業部に移動した」「あの人とあの人は同じ研究室だ」などと、人事や社内政治に関する話題が多いからだ。

 また、「昔は、反対の声が多い製品こそ『Go』をかける気概ある人がいたんだけどなぁ~」などと、どこか他人事のようなコメントに出会うこともある。「だから、俺がやる!」的な人には出会う機会は稀だ。

 失礼を承知で言えば、「自分が在職しているうちはソニーがなくなることはない」「このまま大人しくしていれば」的な雰囲気を感じてしまう。

 平井一夫社長は、「ソニーDNAがソニー復活のキモ」と訴える。確かにそうだと思う。しかしそれは、正確に言えば、ゲンバにいまだに残っているソニーDNAにフタをしてしまっているマネージメントに対してソニーDNAを再注入することだと思う。

 創業者の井深大さん、盛田昭夫さん、中興の祖である大賀典雄さんのような意思のある経営者が上層部にいたことが、ソニーがソニーらしく輝き続けていた理由だったと思う。「売れる」「売れない」「やる」「やらない」の判断を、技術者としての心の目で判断してきたのが、ソニーのDNAだと思う。

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松本晋一 [株式会社O2/株式会社XrossVate/株式会社安田製作所代表取締役]

株式会社O2(オーツー)株式会社XrossVate(クロスベイト)株式会社安田製作所代表取締役。1970年生まれ。千葉県出身。早稲田大学政治経済学部経済学科卒。大手化学メーカー、外資系ITベンダーのディレクター、コンサルティングファームのディレクターなどを経て、2004年株式会社O2を設立、代表取締役就任。2013年に新会社XrossVateを設立。2014年に射出成型用金型メーカ株式会社安田製作所に出資を行い経営参画。


日の丸製造業を蘇らせる!“超高速すり合わせ型”モノづくりのススメ

日本の製造業は危機に瀕していると言われて久しい。様々な業界関係者が口にする「日本企業は技術で勝っても事業で負けている」という言い訳は、本当に正しいのか。実は、日本のゲンバにはもっと根深い本質的な課題がありそうだ。日本企業の5重苦、7重苦の原因は、日本の技術力の低下そのものにあり、その原因は大きく「技術伝承」の放置と悪い意味での「部分最適思考」の2つにある。製造業を中心に大手企業のコンサルティング業務を手がけ、企業のゲンバと深い付き合いを続けてきた株式会社O2(オーツ―)の松本晋一代表取締役が、“超高速すり合わせ型”モノづくりの極意を説く。

「日の丸製造業を蘇らせる!“超高速すり合わせ型”モノづくりのススメ」

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