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「引きこもり」するオトナたち

AKB襲撃事件でまるで“犯罪者予備軍”扱い!?
「大人のひきこもり」への偏見に警鐘を鳴らす

池上正樹 [ジャーナリスト]
【第200回】

 またしても「引きこもり=犯罪者予備軍」という誤解を招くようなネガティブイメージが流布している。

 きっかけは、25日に起きたAKB襲撃事件だ。

<AKB襲撃容疑者も、プチ引きこもりだったらしいですね>

 26日の深夜、そんなメールが当事者から寄せられた。

 ただ、AKBにはまったく興味がなかったこともあり、そのときは、ああそうなんだ…くらいにしか思わなかった。

 27日になると、仕事の打ち合わせ中に「AKB襲撃事件に絡んで、大人のひきこもり特集をするので、電話で生出演してほしい」と、地方のテレビ局から依頼があった。

 当事者からのメールのことも頭にあって「容疑者が引きこもっていたのですか?」と放送局の担当者に聞くと、「仕事をせずに、自宅でパソコンに向かっていたようだ」という。

 しかし、襲撃事件とは切り離した特集なので、事件のことについては触れなくていい、池上さんには「大人の引きこもり」が増えている社会的背景についてお話ししてほしい、とのことだった。

 こうして仕事の合間に電話で生出演し、打ち合わせの後、容疑者についてどのように報じられているのかを改めて調べてみた。

AKB襲撃事件の容疑者の
経歴、そして生活ぶりとは

 事件は、24歳の男性が、岩手県滝沢市で行われていたアイドルグループAKB48のメンバーらの「握手会」中に、刃渡り20センチのノコギリで3人に切りつけたというものだった。

<母親によると、容疑者は三沢市内の高校へ進学した後、通信制の高校に移り、卒業後は十和田市内や大阪府内でアルバイトなどを続けていた。昨年12月、十和田市内のアルバイトを辞めた後は無職で、ひきこもりのような状態が続いた時期もあったという>(毎日新聞5月26日付朝刊)

<上司だった男性によると、青森県で土木関係の仕事をしていたが、仕事がなくなったので県外で働きたいと応募してきた。昨年春になって「体調が悪い」と退社を申し出たという。男性は「口数が少なく、同僚とも深く関わる感じではなかった。しかし、まじめで問題を起こしたことはなかった」と話した。昨年夏ごろに 実家へ戻った。母親によると、容疑者は自室でノートパソコンに向かう時間が長かったという>(朝日新聞5月26日付け夕刊)

 たしかに「ひきこもりのような状態が続いた時期もあった」と報じられているし、記事に書かれているような状況が昨年来、ずっと続いていたとすれば、引きこもり状態にあったと言えなくもない。

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池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 


「引きこもり」するオトナたち

「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。

「「引きこもり」するオトナたち」

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