2013年4月、政府は経済界に採用活動開始時期の繰り下げを要請した。すなわち、2016卒の学生から、広報活動は12月開始から3月へ、選考は4月から8月開始に変更としている。本件に関して、企業に実施の是非と感想を求めたところ、さまざまな意見が寄せられたので紹介したい。
16卒採用で採用時期が遅くなることの感想
従業員501名以上の企業
[大変良い]
●選考活動が、学業の妨げになってはならないため。
[良い]
●日本貿易会の方針通り、採用活動を遅くし、学業への影響を減らすべき。
●採用事務が短期化できる。
[良いとも悪いとも言えない]
●企業から見ると悪いが、社会的にみると良いと思っている。
●他社の動向の変化により、内定出し後の歩留まりが読みづらくなる可能性があるため。
●実際に動いてみないと分からないが、学生の二極化がより進んでしまうと思われる。
●新入社員研修などと重なると、手が回らない。多くの会社が4月5月の早期に採用や選考が重なるのではないか?
●学生の企業研究が浅くなる不安はあるが、学生生活全体の時間配分をみれば妥当だと感じるから。
[悪い]
●倫理憲章を遵守せず早期に選考を進める外資系企業が同業に多く、優秀な学生の獲得が難しくなると考えているため。
●時期だけ変えても根本的な改善になる気がしない。強制力がないため混乱は避けられない。
●期間が短くなると、説明会や試験の日程が重なりやすくなり、学生の選択肢が狭まる恐れがある。
●学業に専念できることで、学生の能力・質が上がるのなら賛成だが、果たしてその効果は出るのか。何とも言い難い。
●知名度がそれほど高くない当社にとって、広報期間の短縮は母集団形成に影響が出る可能性が高い。
[大変悪い]
●理系学生にとり、8月は研究実験のピーク時で多忙。一部の就活が順調な学生を除き、10/1の内定解禁日以降も活動を継続する学生が多く、越年するケースも出てくる。大いなる社会不安を発生させることになりそう。
●大企業がより有利になり、中堅・中小企業は苦戦するのではないかと考える。
●短期間で内定出しの必要があり、人材の見極めが難しくなる。
●広報活動が少なくなり、学生の応募数が減ることが予想されるため。