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「引きこもり」するオトナたち

「慢性疲労症候群」の脳内に広範囲の炎症を発見!
“怠け”と誤解される異常な疲れとの因果関係

池上正樹 [ジャーナリスト]
【第201回】

ちょっと歩いただけですぐ炎症に
睡眠時間不足との大きな関係も

 「異動、昇進、就職など、環境や仕事の内容が変わって、体の負荷が過剰になったときに(無理を)続けてしまうと起こることが多いですね。おそらく脳内の炎症が強くなって、ダメージが続いていく。例えば夜遅くまで働いていると、体はアクセルをずっとふかして交感神経系が活性化していますから、寝ようと思ってブレーキを踏んでも急には眠れなくなったり、緊張状態が続いていたりすると、睡眠が浅くなることがあります。通常は睡眠で回復していきますが、そういう状況が続いて、脳でのダメージがある一線を越えてしまうと、自分の力だけでは回復できない状態が起こってくるのです」(中富院長)

 睡眠時間が短くなっていっても、そういう状態が習慣化され、頑張れてしまう人は少なくない。しかし、睡眠時間は、人によって必要な長さが違う。

 最近、睡眠時間が削られていく方向にあって、現代人は睡眠時間が以前よりも少ない。

 そんな中で、元々、睡眠時間の長いロングスリーパーのタイプは、周りの睡眠時間が短くなってきているために、自分では寝ているつもりになっていても、実は足りていない状況がよく起きていると、中富院長は指摘する。

 「脳がそのときの負荷などを回復させるには、睡眠はとても大事です。そこが障害されると、脳としては戻らないままになる。休みが取れないまま、脳がずっと動いていく状態になって疲弊して炎症が続き、簡単なことでも無理をしたように感じてしまうのだと考えられます」

 つまり、ケガをしている箇所をずっと触り続けていると、なかなか良くならないようなイメージだ。

 慢性疲労症候群の人は、多少のことをしても脳が負担として大きく感じる傾向がある。例えば、ちょっと歩いて出かけるだけでも、すぐに炎症が起きてしまう。

 治療法については現在開発中で、まだ確立されていない。

 仮に炎症を抑える既存の薬を投与したとしても改善されるかどうかの保証はなく、逆に炎症は、人間のもつ自然治癒力の過程の中で起きている可能性もあるからだ。

 ただ、中富院長は「慢性疲労症候群についてはこれまで、知識や理解も少なく、医療従事者の中でも否定的な方が多かった。そんな中で、実際にこういう病態が起こっているという客観的事実は理解しやすく、大事なきっかけになるのではないか」と、今後に期待する。

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池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 


「引きこもり」するオトナたち

「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。

「「引きこもり」するオトナたち」

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