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『週刊ダイヤモンド』特別レポート

本田幸夫(大阪工業大学工学部ロボット工学科教授)インタビュー
ロボット社会の新しいルールをデザインせよ

――週刊ダイヤモンド6月14日号特集「ロボット・AI革命」より特別公開

週刊ダイヤモンド編集部
2014年6月11日
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安倍晋三首相の「ロボットによる『新たな産業革命』を起こす」という宣言で、盛り上がる日本のロボット産業。パナソニックのロボット事業推進センター所長から、大阪工業大学ロボット工学科教授に転じた本田幸夫氏に、ロボット産業の未来像と活性化についての課題を語ってもらった。

ほんだ・ゆきお/1980年神戸大工卒、日本電装(現デンソー)入社。89年松下電器産業(現パナソニック)に入社、ロボット事業推進センター所長などを務め、2013年4月、大阪工業大ロボット工学科教授に転じる。生活支援ロボット市場の創造を目指す「アルボット」代表も兼任
Photo by Ken Fukasawa

──シリコンバレーのIT企業が、ロボットや人工知能(AI)への関心を高めています。

 「モラベックのパラドックス」という言葉がある。1980年代にカーネギーメロン大学のハンス・モラベック教授が、コンピュータの推論する能力はいずれ人間を超え、チェスや将棋などで勝てるようになるだろうが、運動能力や判断能力においては5歳児すら超えられないだろうと予測した。

 ところが、その後のCPUの進化のスピードは目覚ましく、いまのiPhoneのCPUの能力はトカゲくらいの能力で、インテルのCore i7 はネズミの脳くらいという。スーパーコンピュータの「京」は初期のサルの知能にまで到達しているといわれる。京は今、ビル丸ごとの大きさだが、クラウドならだれでもポケットに入れて使えるようになるかもしれない。

 実はもう、ひょっとするとモラベックのパラドックスは破られるんじゃないかという局面に来ている。

 そういうことを実感しているのが、グーグルやアマゾンの若手エンジニアたちだ。去年、日本企業の幹部を連れて、グーグルをはじめシリコンバレーのロボットベンチャーを軒並み訪ねる機会があったが、若い世代が抱いているロボティクスに対する現実味は、モラベックのパラドックスを知っている世代とはかなり異なると感じた。

──「鉄腕アトム」を究極の姿として追いかけた日本は、ヒト型ロボットの研究で先行していると言われていましたが、米国も二足歩行ロボットの開発に熱心です。

 米国がヒューマノイド(ヒト型ロボット)の開発が重要だと考えるに至ったきっかけのひとつは、東日本大震災での福島第一原子力発電所の事故だろう。

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