長時間のパソコンワークが続くと、頭の芯の方が重く、疲れを感じるようなことがある。その理由のひとつには、目の疲れがあげられるだろう。脳に送られる情報の80~90%は視覚によるもので、脳の働きの多くは「見る」ことに費やされることになる。そのため、目の疲れが脳の疲れにとってかわるようになり、頭痛や肩こりを引き起こすばかりか、イライラや倦怠感まで誘発することもある。重くてだるい体で仕事すれば、当然のようにパフォーマンスにも悪影響を及ぼす。

 眼精疲労は、無意識のうちに起きている目の筋肉疲労でもある。目に筋肉がある、といわれてもなんだかピンとこないが、物を見るときには、毛様体筋という筋肉がゆるんだり縮んだりすることで水晶体の厚みを変化させ遠近を調節してくれている。ただ、人間の目は、もとからパソコン仕様につくられているわけではない。となると、至近距離で長時間パソコン作業をしていれば、毛様体筋が収縮して緊張状態が続き、筋肉疲労を起こしてしまうのだ。

 また、誰しもが日々実感しているように、パソコンの画面をみているとまばたきの回数が減り、ドライアイになりやすくなる。そうなると、角膜や結膜を保護してくれる涙の量が減ってしまうので、目の健康を保てなくなり、角膜の表面に傷がついたりすることもある。

うなぎ、卵黄、にんじん、トマト…
身近な食材が「目のビタミン」だった!

 目に良いとされている食べ物といえば?と聞けば、「ブルーベリー!」とすぐに答えていただけることが多い。でも、「それはなぜ良いの?」と聞かれたら、「はて、なんでだっけ?」という感じではないだろうか。

 ブルーベリーが良いとされるのは、ブルーベリーに含まれるアントシアニンというポリフェノールの存在による。網膜に栄養を運ぶ毛細血管の働きをよくする、というのがアントシアニンの働きだ。アントシアニンは、赤や紫、青色といった色素成分で、ブルーベリーだけに限らず、赤紫蘇や紫芋などにも含まれる。

 でも、目のためにブルーベリーやワイン、黒豆と日常的に大量に摂る、というのは非現実的だし、そんなことをしていたら、糖分も一緒に大量摂取してしまい、糖尿病から白内障にならないとも限らない。そこで、目といえばブルーベリー、から一歩進んで意識していただきたいのは、「目のビタミン」ともいわれるビタミンAだ。