「ほめること」に
秘められた下心

衝撃のアドラー心理学<br />小林麻耶が自分を嫌う意外な「目的」とは?ほめることは相手を縦の関係の下に置く行為だとするアドラーの考えに驚いたという小林さん。

小林『嫌われる勇気』を読んで驚いたことは、まだまだあります。私は人をほめるのは素晴らしいことだと思っていましたし、私自身もほめられたいです。でも、『嫌われる勇気』には、ほめることは叱ることと同様、相手を縦の関係の下に置く行為だと書かれています。ほめることによって、相手を操作しようとしているのだと。

岸見 大切なのは「横の関係」になることです。

小林 でも、相手が上司の場合はどうすればいいのでしょうか。横の関係になるのは難しいような気もします。対等なつもりで、思わず失礼なことを言っちゃうなんてことも……。

岸見 普通にしていればいいんですよ。人間関係に計算が入ってはいけない。縦関係だと常に計算が入ってしまいますし、その裏には相手を操作したいという下心があります。

古賀 部下としては、上司にお世辞を言わなければいけないと思ってしまいますよね。でも僕が岸見先生と話しているなかですごく納得したのが、上司がなぜ威張っているのかを考えてみると、上司自身も不安だったり、自信がなかったりして、縦の関係を築いていないと自分の威厳が保てないと思っている可能性があるということです。

小林 なるほど。そうかも!

古賀 上司も威張りたくて威張っているのではなくて、不安だから威張っているんだなと思えれば横の関係が築けるし、役職が違っても人として対等に付き合えると思います。