米国防総省が採用した真相は?

 ニュータニックスが作っている商品は、一見すると超がつくほどシンプルだ。小さな筐体(高さ約9センチ、横幅約4.3センチ、奥行き75センチ)には、記録媒体となるストレージ(フラッシュメモリとハードディスク)と、頭脳となるサーバーが一緒に組み込まれている。

 購入企業はこの小さな箱をまるでレゴブロックのように、必要量に応じて積み増すだけという簡単さで、グーグルの設備に近い特性を持つ、非常に高効率なデータセンターを自前で作ることができる。

米国防総省も、いかに効率的で拡張性の高いデータセンターを作るかが大事な課題になっているという 
写真提供:Nutanix

 ユニークな導入事例をひとつ上げるなら、米国国防総省の最新のデータセンターに採用されたものがある。

 同省では多くの大企業と同じように、「仮想化デスクトップインフラ(VDI)」と呼ばれるシステムの導入を進めている。

 スタッフは一見すると別個のパソコンやモバイル端末を使って仕事をしているように見えるが、実際はネットワークの先にある中央のサーバーで、一括してデータやソフトが動作しているという仕組みだ。運営側は大事なデータの管理やトラブル対応などをより確実に管理できるメリットがある。

 そんな中、同省はVDIのためのデータセンターを新たに作る際に、ニュータニックスの“箱”に白羽の矢を立てた。

 まずは500台分の仮想化デスクトップ環境を作ってテスト運用から始め、その後、数倍の規模で本格的に導入。箱を増やすだけという、拡張性の高さを最大限に活用した。また、その成功の裏には、処理スピードなどの基礎性能の速さに加えて、実はコストカット効果も大きかったという。

「実はオバマ政権にとって軍事費の削減はまったなしの状況なのです。そして国防総省のデータセンターの運営費も、その例外ではありません」(岡田卓也・ニュータニックス日本法人代表)。

 岡田代表によると旧来のデータセンターの総費用の75%は、煩雑なインフラを維持管理するために発生している。ところが同社製品はブロック状の製品を積み上げるだけで、複雑なネットワークの専門家がいなくてもデータセンターを運営できるため、人件費など間接費を大幅に削ることが可能だという。

 その他にも世界で約1000社まで顧客を広げており、誰もが知っているような有名コーヒーチェーンや家電量販チェーン、大手自動車メーカーなどが社内インフラやサービス向上のためニュータニックス製品の採用を始めているという。

 日本でもすでに20社ほどが使い始めており、同社の日本法人は旧来のデータセンターを抱えている企業たちに、積極的に売り込みを掛けている。