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3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

マネジメントとは数式でなくものの考え方

上田惇生
【第33回】 2008年1月28日
著者・コラム紹介バックナンバー
新しい現実
ダイヤモンド社刊 1700円(税別)

 「マネジメントの歴史すなわちその成功と失敗の数々は、マネジメントとは、何にもましてものの考え方であることを教える」(『新しい現実』)

 マネジメントとは、人にかかわるものである。その機能は、人が共同して成果を上げることを可能とし、強みを発揮させ、弱みを無意味なものにすることであるとドラッカーは言う。

 この基本さえ踏まえていれば、数式とデータでマネジメントできるなどという馬鹿な考えが出てくるはずはなかった。

ところが、物理学が数学を使って成功したのをまねて、経済学がその後の地位を得たことが影響した。これを見た経営学が同様にまねしてマネジメントサイエンスなるものを始めた。

 ドラッカーは、50年ほど前、当時流行のマネジメントサイエンスに対し2つの疑問を投げかけた。「人間のものであるマネジメントを切り刻んでモデル化できるのか。もしや、リスクをとることを嫌っているのではないか」と。

 ドラッカーの懸念どおり、マネジメントサイエンスの経営への貢献は、50年に及ぶ努力にもかかわらず、とうてい満足できるものにはなっていない。緻密化するほど現実離れするという袋小路に入ってしまった。人間重視の本家たる日本でこれが著しい。

 「マネジメントとはまさに伝統的な意味におけるリベラルアート、すなわち教養でなければならない」(『新しい現実』)

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上田惇生(うえだ・あつお) 

 

ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授。1938年生まれ。61年サウスジョージア大学経営学科留学、64年慶應義塾大学経済学部卒。経団連、経済広報センター、ものつくり大学を経て、現職。 ドラッカー教授の主要作品のすべてを翻訳、著書に『ドラッカー入門』『ドラッカー 時代を超える言葉』がある。ドラッカー自身からもっとも親しい友人、日本での分身とされてきた。ドラッカー学会(http://drucker-ws.org)初代代表(2005-2011)、現在学術顧問(2012-)。

 


3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

マネジメントの父と称されたドラッカーの残した膨大な著作。世界最高の経営学者であったドラッカーの著作群の中から、そのエッセンスを紹介する。

「3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言」

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