朝、東京の地下鉄での「勉強」状況…。
女性が圧勝

第81講では「残念編」として、首都圏の電車の中で観察された、残念な若者たちについて書きました。「朝、爆睡する20代サラリーマン」「後輩にサボり自慢するA学院の大学生」「ヒマな夏休みの過ごし方に悩む女子大生2人」「高3長女の進路について会議する一家」が登場人物でした。いまは残念な感じだけど、たったひとつのあなたの人生、しっかり生きてね、がメッセージだったでしょうか。

 さて今回は、未来に希望の光が射しそうな、「期待編」です。

 2013年3月から、東京の地下鉄では車内でも全面的に携帯電話の電波が届くようになりました。その結果として、ホームのみならず、車内でも多くのヒトが、携帯電話、特にスマートフォンをいじるようになりました。

 満員電車の中、「座っているヒトが一列全員、スマートフォンに目を向けている」などという光景も珍しくはなくなりました*1)

 そして、何をやっているかといえば、ゲームやビデオやマンガ(男性)かメール(女性)か、もしくはFacebook やLINEといったSNSなど(男女とも)です。

 でもそんな中でも、電車内で本を読んでいるヒトはまだ、います。私の観察の範囲内では8割が、女性です。読んでいるのは小説か、英語などのスキル・資格系の本。決してマンガやスポーツ紙ではありません。

 また、大型の手帳を出して、スケジュールを確認したり、思いついたことをメモしたりしているのも、ほとんどが女性*2)

 こんなに性差があると、男性の一員として恥ずかしいくらいですが、やはり、これからの日本を背負っていくのは女性なのだと、思い知らされる瞬間です。

*1 そのせいか、降車駅ですぐに気づかず、降りるのが遅い人が増えた。乗る人にとっては大迷惑である。
*2 ただし、車内でノートパソコンをバシバシ打っているのは、ほぼ男性。