いまからちょうど15年前の1999年7月25日夕刻。
第70回都市対抗野球大会のその時間、その試合は、いつにも増す熱気にあふれていた。
前年(1998年)優勝チーム・日産自動車(横須賀市)と前々年(1997年)優勝チームの日本生命(大阪市)という大会屈指の好カード。日産自動車・硬式野球部にとっては、勝利を義務づけられた試合だった。本社の業績不振により、かの“コストカッター”カルロス・ゴーン氏が同年3月に最高執行責任者(COO)に就き、硬式野球部の存続が危ぶまれていたからだ。
試合は、8回裏を終わり、日産自動車が1点のビハインドを負っていた。スコアは、8対7のルーズヴェルト・ゲーム。そして、日産自動車、9回表、最後の攻撃――。
アマチュア野球の最高峰
梅雨が明け、プロ野球は後半戦に入り、各地で熱いペナントレースが繰り広げられている。
高校野球地区予選も甲子園出場校が続々と決まり、野球ファンはネット情報やスポーツ新聞から目の離せない季節だ。
そうしたなか、東京ドームでは毎年恒例の“都市対抗野球大会”が開催され、第85回記念大会の今年は全国各地の地区予選を勝ち抜いた34チームが、優勝の“黒獅子旗”を懸けて闘い続けている。現在、ベスト16が出揃い、トーナメント3回戦の最中(さなか)だ。
この春にTBS系で全国放送された「ルーズヴェルト・ゲーム」(原作・池井戸潤)で、“社会人野球”を初めて、あるいは久しぶりに記憶に留めた人も多いのではないだろうか?