たまりにたまった名刺のデジタル化。いつかやらなきゃ――大多数のビジネスパーソンがそんな思いを抱えていることが、先立っての調査で明らかになった。

 クラウド名刺管理サービスを提供するSansan社は、全国のビジネスパーソン415人を対象に調査を実施し、2014年4月末に結果を公表した。回答者の実に86.2%が「名刺管理の必要性」を感じているものの、何らかのアプリを利用している人はわずか4.6%。「使ったことはあるが、今は使っていない」という人が14.7%と、アクティブユーザーよりもむしろ多かったのだ。

 名刺管理アプリなど検索すればごろごろヒットするし、無料のものも珍しくない。ではなぜ、継続的ユーザーの割合がこれほどまでに低いのだろうか。

営業マンの持つ名刺の数は平均1173枚!
名刺1枚を探すのに3.6分を費やしている

 そのヒントは別の調査にある。キングジム社が営業職の男性500人を対象に2010年10月に実施したWEB調査によれば、社会に出てからもらった名刺の平均数は1173枚にもなるという。しかも40代に限れば2074枚と、20代の392枚の5倍にもなるのだ。

 しかも全体の96%が、名刺ファイルや名刺箱などアナログな手法で管理していた。そのせいか、名刺を一枚探すのに平均3.6分がかかっていたのだ。

 ここでSansan社の調査に戻ると、名刺管理アプリへの不満で最も多かったのが、「毎回撮影するのが大変」という意見。56.3%もの人がそう回答していた。ふたつの調査を並べてみると、多くのビジネスパーソンを尻込みさせている要因がはっきりと見えてくる。溜めこんだ名刺があまりにも多いため、一枚一枚スマホのカメラで撮影する手間があまりにも膨大で、使い始めるきっかけをつかみかねていたのだ。