むしろ賛成する仲間を増やす

――しかし、田舎の自治体で、新しいことをやる時というと、都会以上に障害も大きいのではないですか。まず市役所の職員をどういう風に引っ張っていくか、さらに市の外に出ると、田舎ってそれぞれの支持者に非常に強いつながりがあるので、反対派の壁を突破していくのは、とても大変なのではありませんか。

 佐賀県の古川(康)知事がよく僕を引き合いに出すんですが、「突き進む前にチームでやっているから」と。それでどんどん広がっていくんですよ。

 だから反対派を説得するっていうよりは、むしろ賛成してくれる仲間を増やしていく。あんまり反対派を説得するということはないですね。それよりも賛成の人が来たら、1を100に、反対する人が来たら100を1くらいに無力化する。

 反対派を無力化するっていうことが大事なんです。

 説得するとかではなくて、「あの人も、この人も賛成しているのか」ってなったら、人間はコロっと変わるんですよ、比較の動物だから。だって僕から説得されたら、余計反対になっちゃいますよ(笑)。

――少しおかしな言い方ですが、どちらかというと悪い奴は悪い事していると分かっているので、論理的な説得が効くんですが、私はこれがこの自治体にとって正しいことだと信じ切っている人って、逆になかなか説得するのは難しいですよね。

 大変ですよ。今まで行政ってそういう人にアプローチしてきたんです。そういう人ってまた声がでかいんですよね。だから、僕のような政治家とその人が、直接やり取りするよりは仲間を増やしていく。そうすると、結構、仲間と仲間の付き合いがあるんで、そこで無力化させる方がよっぽど合理的でかつ速い。

 だから僕らはいつもチームでやっているという認識があって、チームで行動するっていうのは楽しくやれるということと、もう一つ敵対勢力を無力化できるっていうことがある。こういう田舎だと、どっかでつながっていますもん。「あいつがあのチームかよ」ってなると、「ちょっと反対できないね」とか、「オレがちょっと間違っていたかも」という風になっていくんです。だから僕は上からドーン突破するんじゃなくて、フラットに仲間を増やしていく。