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「引きこもり」するオトナたち

「引きこもりイケメン化計画」で本当に人は変わる?
衝撃のビフォー&アフター大公開!

池上正樹 [ジャーナリスト]
【第211回】 2014年8月28日
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 当事者たちが発案した「ひきこもりイケメン化(おんな前)計画」によって、引きこもり生活を脱した若者がいる。

 自らの引きこもり経験を生かして「メンタルケア・パーソナルコーチ」の活動を始めた越智孝之さん(32歳)だ。いわば、アスリート向けのメンタル面に特化したコーチを一般の人向けにした心のコーチングである。

 越智さんの活動は、対話形式でビジネスや日常の悩みを聞き、人生の目標などを決めながら、応援して寄り添っていく。そして、その人自身の中に眠っているものを引き出し、気づいてもらうことを目指している。

 「メソッドは確立されているが、基本はすべて即興です。全員、進み方もペースも違う。突き詰めると、会社員時代、自分がルーティン作業に疑問を思っていた、という根深い原点が(自分の中に)あるんでしょうね」

大手通信会社で「働きがいない」
うつ病と診断され1年半休職・退社へ

 越智さんは、国立大学の工学系学部を卒業後、大手通信会社に勤め、システムエンジニアをしていた。

 職場では、自分たちで製品を作るというより、人が作った製品に企業のネームバリューを貼って売るような仕事だった。

 最近、そのネームバリューが落ちてきて、でも作り続ける。自分たちの価値は何なのか。よくわからないまま働いていた。

 「ユーザーが遠すぎる」

 越智さんが悩み始めたきっかけだった。

 ある日、朝の会議で“うちの組織が再編成されそうだ”“多分、大きく入れ替わるよね”って、皆が言い合っていた。

 「どうせ、他の部署に異動するだろうという前提で話しているから、誰も当事者ではない。自分の組織が変わるのに、他人事なんですよね」

 当時、別の事業部が持っているシステムを開発する仕事に携わっていた。事業部制の中では、他の事業部から受注した形になり、社内でお金が動く。

 しかし、連結決算を見たら、世の中的には何の生産性もない。ただ社内で動いているだけの“仮想通貨”のように思えた。

 その“仮想通貨”だけでは、世の中の役に立った感がなかった。

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池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 


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「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。

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