芸能リポーター歴28年、10万人以上の取材をとおして培った「心の距離が近づく技術」や「人間関係がうまくいく方法」、「相手が何を考えているのかを一瞬で聞き出すワザ」をまとめたのが、新刊『一瞬で「本音」を聞き出す技術』。言動を少し変えるだけで、誰でも相手の考えていることがわかり、仕事にプライベートにも役立つ至高のテクニック集です。

相手の考えを知りたいと思ったことはありませんか?

 朝起きて、夜寝るあいだに、あなたはどれぐらいの人と接しているでしょうか。家族、同僚、取引先、友人、恋人……。人間関係がうまくいっているときは、特に気にならないかもしれません。

 ですが、皆さんも一度はこう思ったことありませんか?

「この人、何を思っているんだろう」
「表情は笑っているけれど、本当はどう感じているのだろう?」

 相手の気持ちがわかったら、どれだけラクなことかと。それが叶う方法があるとしたら、皆さん知ってみたいとは思いませんか? 

 相手が心のうちに秘めている思い・考え=本音を知ることは、人の究極の願望かもしれません。その願いを叶えるコミュニケーション術が存在します。著者は、元新聞記者で芸能リポーター歴28年を迎え、これまで取材してきた人数は10万人超。そして今回ご紹介するのが、「7つの基本」の仕事術と「28の心理術」です。

 人から情報を引き出すことは、何も相手をだましているわけではありません。「情報を引き出す」と「本音を聞き出す」は近いのです。

 皆さんは「ここだけの話なんだけど」と秘密の話を誰かにしたことありませんか? それはこの人だから話せる、もしくは話してもいいという「本音」です。本音を語り合える仲とは、親友という言葉がふさわしいと思いますが、その関係性を築くことができれば、本音を聞き出せるのです。これは簡単そうで難しいです。本書でも紹介していますが、それよりももっと効果的な方法があります。

 では、何をすればいいのか? 一つは、感情を最大化することで本音を聞き出せます。これは、「人が人を伝えること=喜怒哀楽を伝えること」(25P)という伝え手としての仕事の考え方がベースになっています。「喜・楽」はかんたんですが、「怒・哀」はそうもいきません。ただ、感情をコントロールすることで、誰でもラクに聞き出せるのです。

 本書では、「14.水いっぱいのコップに水を足す」(143P)や「11.『怒り』の場は本音を聞けるいい機会でもある」(130P)などで紹介しています。

 この境地に至るまでに、著者は長い年月をかけてきました。

 慣れない取材の影響で僕は対人恐怖症のようになってしまい、取材後に「今日は遠慮しすぎた」と消化不良でストレスを溜めてしまうこともあれば、逆に踏み込みすぎて、自己嫌悪に陥ってしまうこともありました。(中略)人とのつき合い方や本音の引き出し方は、教科書や参考書には載っていないからこそ、失敗を繰り返しながら学んでいくしかないのです。そうすることで、少しずつ自分の中で備わってきたものがあります。あるとき、ある場所である言動をするだけで、本音が次々とつかめるのです。(26、31Pから抜粋)