実写版『ルパン三世』には
懐かしさと斬新さが同居する
漫画「ルパン三世」が『漫画アクション』の連載として初お目見えしたのは、1967年のことでした。以来47年間、テレビアニメや映画、ゲームのキャラクターなどさまざまなメディアで、世代や国境を超えて、ルパン三世は多くのファンをつかみ続けています。
そして今年8月30日、実写版映画『ルパン三世』の公開が始まりました。
熱狂的なルパンファンである私は、公開初日にこの作品を観に行きました。ルパンはじめ、次元、不二子、五エ衛門、銭形警部など、おなじみのキャラクターたちを有名俳優たちが演じます。作品全体の印象は、漫画やアニメの世界のイメージを保ちながら、実写版ならではの全く新しい世界観を創り上げていた、ということです。
実写による現代の世相にマッチした表現と、誰もが知っている「ルパン三世」が絶妙に融合しているこの映画は、懐かしさと斬新さを感じることの出来るクオリティの高い作品だと、私は感じました。
しかしながら、漫画やアニメ作品の実写化映画というのは、過去の事例を見ても公開前の前評判では、おおむね興業的に成功するのは難しいといわれてきました。
かくいう「ルパン三世」も、日本では1974年に最初の実写版映画『ルパン三世 念力珍作戦』が公開されましたが、漫画やアニメのイメージとは一線を画しており、原作のファンからはあまり支持されなかったようです。
とはいえ、2000年代に入ってからも漫画やアニメの実写版映画はたくさん作られました。
思いつくままに例を挙げると、2004年には、『デビルマン』『キューティーハニー』『CASSHERN』(キャシャーン)などが公開されました。以下、『ALWAYS 三丁目の夕日』(05年)、『ゲゲゲの鬼太郎』(07年)、『ヤッターマン』(09年)、『あしたのジョー』『SPACE BATTLESHIP ヤマト』(10年)、『妖怪人間ベム』『映画 ひみつのアッコちゃん』(12年)、そして昨年の『ガッチャマン』……と、その多くは、今の40代半ば前後の世代が、子どもの頃に漫画やアニメで親しんだ作品のリメイク作品です。