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社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭

「CSRをバカにして、世界を変えた男」のDNAはいずこへ? Apple Watchに感じるアップル凋落の兆し

竹井善昭 [ソーシャルビジネス・プランナー&CSRコンサルタント/株式会社ソーシャルプランニング代表]
【第120回】 2014年9月16日
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 iPhone6とApple Watchが発売されることになり、ネットでもさまざまな感想、論評、絶対に買わないとか買うとかの意見が溢れていてとにかく大賑わいだが、僕はこのApple Watchにアップル凋落の兆しを感じている。まあ、ジョブズが死んでティム・クックが後を引き継いだ時点でこうなることは予想できていたわけだが、それが現実のカタチとなって出てきたわけで、その意味で悲しみは深い。

 アップルは今後、なぜ凋落していくのか。そのことをCSRの視点で語ってみたいと思う。

ジョブズはCSRをバカにしていた?

 そもそもアップルという企業はCSRとはほとんど無縁の会社だった。たぶん、スティーブ・ジョブズという人はCSRにはまったく関心がなかったと思う。というか、むしろバカにしていたのではないかとさえ思う。

 チャリティにも関心がなく、ビル・ゲイツとウォーレン・バフェットがアメリカの富豪たちに呼びかけて、40人から総額20兆円もの寄付の約束を取り付けたアクションのときも、ジョブズは加わっていない。

 そんなジョブズがCEOだった時代には、CSRレポートさえ出していなかった。これは、欧米の大企業としては極めて異例なことだ。環境というか、サスティナビリティにも関心がなく、世界的な環境団体グリーンピースの標的にもされていたし、中国の工場で自殺者が相次いだ時は人権団体からも批判された。

 ある意味、アップルはCSR業界からは「社会的責任を果たしていない」と見られていた。

 それが、ジョブズが死んでティム・クックの時代になって変わった。こちらのブログに詳しく書かれているが、米国環境保護庁の長官をヘッドハントし、環境担当の副社長に据えた。サスティナビリティレポートも出すようになった。ウェブサイトでも、どれほど環境に配慮しているかを伝えるようになった。

 このような動きを、CSR関係者は評価する。僕もまあ、否定はしない。しかし、これがアップルのCSRのあるべき姿かというと、僕は違うと思う。間違っているとまでは言わないが、アップルの本来のCSR、そのあるべき姿はまったく別の方向、別の次元にあると思うからだ。

CSRは何のために必要なのか?

 CSRとは何か――。これは数多くの意見があり、いまだに業界人同士で議論もされているし、そもそもCSRの定義も、メジャーなモノだけでもいろいろある。CSR論者が100人いれば、100通りの意見があると言っても過言ではない。

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竹井善昭 [ソーシャルビジネス・プランナー&CSRコンサルタント/株式会社ソーシャルプランニング代表]

マーケティング・コンサルタントとしてクルマ、家電、パソコン、飲料、食品などあらゆる業種のトップ企業にて商品開発、業態開発を行なう。近年は領域を社会貢献に特化し、CSRコンサルタント、社会貢献ビジネスの開発プランナーとして活動。多くの企業にてCSR戦略、NGOのコミュニケーション戦略の構築を行なう。「日本を社会貢献でメシが食える社会にする」ことがミッションに、全国各地で講演活動を行なう。ソーシャル系ビジネスコンテストや各種財団の助成金などの審査員多数。また、「日本の女子力が世界を変える」をテーマに、世界の女性、少女をエンパワーメントするための団体「ガール・パワー(一般社団法人日本女子力推進事業団)」を、夫婦・家族問題評論家の池内ひろ美氏、日本キッズコーチング協会理事長の竹内エリカ氏らと共に設立。著書に『社会貢献でメシを食う。』『ジャパニーズスピリッツの開国力』(いずれもダイヤモンド社)がある。

株式会社ソーシャルプランニング
☆竹井氏ブログ 社会貢献でメシを食う〝REAL(リアル)〟
☆Twitterアカウント:takeiyoshiaki


社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭

CSRやコーズマーケティングをはじめ、「社会貢献」というテーマがポピュラーとなったいま、「社会貢献のセカンドウェーブ」が来ている。新たなサービスやプロジェクトのみならず、新たな主役たちも登場し始めた。当連載では話題の事例を取り上げながら、社会貢献的視点で世の中のトレンドを紹介していく。
*当連載は、人気連載『社会貢献を買う人たち』のリニューアル版として、2014年1月より連載名を変更しました。

「社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭」

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