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モノづくりを諦めて金融事業会社になるしかない?
大赤字予想で考えた「ソニーがソニーでなくなる日」

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第344回】 2014年9月22日
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最終赤字のさらなる拡大予想を発表
「1人負け」のソニーはどこへ行く?

 9月17日、ソニーの平井一夫社長は、2015年3月期の連結決算において、最終赤字額が当初予想の500億円から2300億円に拡大し、1958年の東証上場以来、中間・期末とも初の無配に転落することを発表した。

 その背景には、同社がエレキ部門の柱の1つとして注力してきたスマートフォン事業での苦戦がある。アップルなどの有力メーカーに押され、同部門の業績が伸びず、同部門の設備などに関して1800億円の減損損失計上を余儀なくされる。その分が、低迷する同社の収益を一段と悪化させることになった。

 スマホ事業の苦戦については、以前から専門家が予想していたとはいうものの、業績の下方修正が続いている同社に対する市場の見方は厳しい。今回の下方修正でソニーの株価は急落しており、市場関係者の間では「投資家から見放されるのでは」との懸念が高まっている。

 リーマンショック以降、わが国の主要電機メーカー各社は、一時期円高の進展などもあり、業績が悪化した時期があった。その後、各社は独自の強みを生かし、一部事業の切り離しなどを行って、業績の建て直しに努めてきた。

 その努力もあって、2015年3月期には大手メーカー6社のうち、ソニーを除く5社は黒字決算の見通しが立っている。ソニーの“1人負け”の状況だ。

 今回、ソニーは大幅な赤字決算に加えて、スマホなどのモバイル端末事業に携わる人員の約15%に当たる1000人のリストラを行う。今回の経営陣の判断については「それなりに評価すべき」との見方もあるが、今後の同社の事業立て直しについては、不透明要因も多い。

 かつての「ソニー神話」が崩れ去った今、同社の進む道が一段と厳しさを増すことは間違いない。

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真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


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