経営のためのIT
【第26回】 2014年9月26日
著者・コラム紹介 バックナンバー
内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]

経営者のITマインドは、11年間進化していない!
――調査で見えた、経営とITを分かつ「深い谷」

previous page
2
nextpage

 さらに、「コンピュータ・ウイルス対策などの、情報セキュリティおよび災害対策について、全社員に対してガイドラインを配布していますか」「システム管理やネットワーク監視などにおいてツール・ソフトウェアを利用していますか」といった情報セキュリティや災害への対応についても、2~3割程度の実施率から5~6割程度へと伸びている。

 このように法令やセキュリティといった外圧によって対応を余儀なくされた課題については、経営者のコミットを得やすく着々と遂行されたといえる。

 また、「社内の交通費精算・物品購入・勤怠などの報告や申請が、各部署または各社員のコンピュータを通じてできますか」では24.7%から58.4%へ、「営業担当者や出張中の社員などが社外から社内システムにアクセスすることができますか」では16.6%から33.6%へとそれぞれ2倍以上の実施率となっており、社内業務の遂行を支援するシステム整備についても大きな進展を見せた。

積み残した大きな課題

 一方、11年前と比べてほとんど進展していない重要な課題もある。

 「一般社員は情報システム部門の活動にどのような理解を示していると思いますか」という質問では、「重要な活動と認識して積極的に協力する」と回答した企業は、2001年の18.8%から2012年は29.6%と大きな増加には至らず、いまだ全体から見れば少数派となっている(図2上段)。

 また、「経営者レベルでは、自社の情報システムをどのように位置づけて考えていますか」という質問については、「企業の存亡を左右する、戦略的に非常に重要な位置づけ」「効果的に活用すれば、ビジネスに戦略的に利用できる可能性を持った存在」という戦略的な重要性を認識した回答は64.1%から68.8%とほとんど変わっておらず、逆に「重要と位置づけられていない」というネガティブな回答が4.0%から8.0%へと倍増しているという実態が明らかとなった(図2下段)。

previous page
2
nextpage

経営戦略 一覧ページへ

媒体最新記事一覧

内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]

うちやま・さとし/大手外資系企業の情報システム部門などを経て、1989年からデータクエスト・ジャパンでIT分野のシニア・アナリストととして国内外の主要ベンダーの戦略策定に参画。1994年に情報技術研究所(現アイ・ティ・アール)を設立し、代表取締役に就任。現在は大手ユーザー企業のIT戦略立案・実行のアドバイスおよびコンサルティングを提供する。


経営のためのIT

日々進化するIT技術をどうやって経営にいかしていくか。この課題を、独立系ITアナリストが事例を交えて再検証する。クラウド、セキュリティ、仮想化、ビッグデータ、デジタルマーケティング、グローバル業務基盤…。毎回テーマを決め、技術視点でなく経営者の視点で解き明かす。

「経営のためのIT」

⇒バックナンバー一覧