斎藤顕一の営業プロフェッショナル養成講座
【第17回】 2014年9月26日
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斎藤顕一  [ビジネス・ブレークスルー大学経営学部教授、同大学院経営学研究科教授]

代理店との連携:
売上拡大と新しい基盤づくり [本質的問題解決Q&A]

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人材の流動化が進むと同時に企業組織の年代構成(ピラミッド)が変形したことで、次世代へのノウハウの継承がスムーズに運ばず頭を悩ませる企業が多いようです。営業組織も例外ではありません。社内にはベテランから若手への引き継ぎ、社外には顧客や最終ユーザーの高齢化という問題がありまず。ですが、そうした現象だけを見ても問題は解決しません。


Question


大手生保で代理店の統括をしています。全国に46代理店(従業員約400人)があり、うち18店は元内勤マネジャーが束ねる大型代理店、他は優秀な元営業職員が束ねる中小型代理店で、平均年齢60.4歳、生保営業歴は平均20年です。現在は順調に売上を伸ばしていますが、スタッフの高齢化が進み、後継の育成が急務です。それに伴い、顧客(代理店)の高齢化という問題も浮上しています。いずれもこれまでの成功モデルの基盤が一巡化し、新たな基盤づくりが必要となっているわけですが、職場も顧客(代理店)との関係も、人と人との絆に基づくものなので、そうは簡単に変えることができません。突破口を見つけたいと模索する毎日です。
(質問者:大手生保、男性、営業推進部門マネジャー、40歳)


Answer


 素晴らしいですね。おっしゃっているように、生保業界も顧客のニーズの多様化に伴い、今までのように代理店一辺倒の戦い方ではなく新たなチャネルづくりなど基盤の見直しが必要になってきたのですね。その中で順調に売上を伸ばしてきたのは大したものです。

 市場環境が大きく変化してきたのですから、本来は事業戦略全体を見直したほうがよいのですが、質問者は代理店の統括をされているということなので、代理店を通じた営業だけに焦点を当てて考えてみましょう。

 スタッフの高齢化と顧客(代理店)の高齢化が進み、後継者を育てれば現在の顧客を維持できるわけではないし、というのはさまざまな業界で見られる現象であり、重要な課題です。質問者の会社は、売上が伸びているので、今のうちにベテラン営業スタッフたちの知恵を部下に共有させ、代理店の育成に貢献できるよう手立てを講じるのは当然のことです。

 では、高齢の“ベテランスタッフ”とは、どんな特長を持っているのでしょうか。

 一般的には、経験が豊富で顧客との信頼関係を築いている“わが道を行く”タイプの人が多いようです。いわゆる一匹狼タイプですね。こういう人たちは、後継者の育成が苦手のようです。というのも、自分の営業スタイルを押し付け気味になるため、後輩たちから煙たがられるのですね。

 これを前提に、知恵の共有化の方法と、顧客である代理店とのつながりの継承方法を別個に考えていきましょう。

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斎藤顕一 [株式会社フォアサイト・アンド・カンパニー代表取締役]
[ビジネス・ブレークスルー大学経営学部教授、同大学院経営学研究科教授]

マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社、パートナー、大阪支社副支社長を務め、1996年にフォアサイト・アンド・カンパニーを創業、現在に至る。経営コンサルティングに加えて問題解決のスキル研修を数多く手がけ、企業の業績向上に大きな成果を上げてきた。大前研一氏が学長を務めるビジネス・ブレークスルー大学において、経営学部および大学院経営学研究科教授。これまでBBTオープンカレッジ、学部、大学院の生徒や企業研修の生徒を合わせて、2万人以上の人たちに問題解決の考え方や実践の仕方、また成果実現の方法を教える。大前研一氏との共著に『実戦! 問題解決法』(小学館)、『大前研一と考える「営業」学』(ダイヤモンド社)がある。単著に『[新版]問題解決の実学』(ダイヤモンド社)がある。

 


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「営業の達人」のスキルは努力の賜物であり一朝一夕に身につくものではありません。でも実は、日々の営業活動のなかに、これを習得する近道があります。困っていること、わからないこと、迷っていること等々は「営業目標を達成するために最も重要な成功の鍵」です。これらの問題を「発見」し、「解決」することで、営業プロフェッショナルとしてのスキルが培われます。

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