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仕事依存症の診断テスト
4項目以上なら可能性大

井手ゆきえ [医学ライター],-週刊ダイヤモンド編集部-
【第216回】

 議論中の日本型新裁量労働制──いわゆる「残業時間ゼロ法案」は一定以上の年収の社員について、本人の同意を得て時間規制対象外とするもの。労働時間を自己裁量できる点は魅力だが、有形無形の圧力で本意ではない社員が無償の長時間労働を強いられる危険性が指摘されている。

 しかし、圧力は外部からだけではない。実は、自分で自分を窮地に追い込むことも考えられるのだ。

 先日、ノルウェー・ベルゲン大学から「仕事依存症(ワーカホリズム)」に関する報告が出された。調査に先立ち、研究グループは薬物依存症の診断スコアを参考に仕事依存度の診断基準を開発。まずは、次の質問について「まったくない」「めったにない」「時々ある」「頻繁にある」「いつも」の5段階で回答してみよう。

 (1)仕事のための時間をもっとつくるにはどうするか、考えている。
 (2)最初に意図したより、はるかに長時間を仕事に費やしている。
 (3)罪悪感や不安、無力感、抑うつを軽くするために働いている。
 (4)他の人から「仕事を減らす」よう言われるが、耳を貸さない。
 (5)仕事を禁じられるとストレスになる。
 (6)仕事のために、趣味やレジャー、エクササイズに費やす時間の優先度が下がる。
 (7)健康に悪影響が出るほど、働いている。

 七つのうち、少なくとも4項目で「頻繁にある」または「いつも」と回答した方は「仕事依存症」の可能性が大だという。

 ノルウェー人の労働者(パートを含む)を対象にした調査結果では、全国民の8.3%が仕事依存症であり、常勤、非常勤に関係なく男女とも働き過ぎの傾向があったそうだ。また、46~58歳の中高年より18~45歳の年齢層で依存傾向が顕著であり、子どもがいる人ほど、影響が大きかった。

 「依存症」の怖さは自分では制御できないこと。たとえ労働時間を裁量できるようになっても、自ら仕事という「麻薬」を渇望するのでは健康を損なうのは目に見えている。制度より先に、自分の生活に占める仕事の意味と位置付けを見直すべきかもしれない。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)

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井手ゆきえ [医学ライター]

医学ライター。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会正会員。証券、IT関連の業界紙編集記者を経て、なぜか医学、生命科学分野に魅せられ、ここを安住の地と定める。ナラティブ(物語)とサイエンスの融合をこころざし、2006年よりフリーランス。一般向けにネット媒体、週刊/月刊誌、そのほか医療者向け媒体にて執筆中。生命体の秩序だった静謐さにくらべ人間は埒もないと嘆息しつつ、ひまさえあれば、医学雑誌と時代小説に読み耽っている。

 

週刊ダイヤモンド編集部


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