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“逸ノ城ショック”に襲われた9月場所
大相撲の歴史を塗り替えかねないモンスターが現れた

相沢光一 [スポーツライター]
【第317回】 2014年9月30日
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前回は大相撲9月場所の懸賞本数が史上最多となり、相撲人気の根強さを書いたが、今後は別の意味で大相撲が注目されそうだ。

 9月場所は横綱白鵬が優勝したが、むしろ主役として注目を一身に浴びたのは新入幕の逸ノ城(21)である。モンゴル出身で今年の1月場所、幕下15枚目付出でデビュー。1月場所、3月場所を6勝1敗で通過し十両昇進。その5月場所を11勝4敗で優勝し、7月場所も13勝2敗の好成績で幕内に昇進する。そして臨んだ9月場所。初日から勝ち続け、7日目に勢に敗れたものの、稀勢の里、豪栄道の2大関を破り、横綱鶴竜も負かしてしまった。そして迎えたのが14日目、12勝1敗の相星だった横綱白鵬との対戦だ。

 さすがに心技体の三要素を備えた現役最強の白鵬には土俵に転がされたが、あと一歩で幕内優勝まで迫った。

髷も結えないほどの彗星デビュー
白鵬戦の一番は大相撲の権威の危機だった

 その白鵬戦は、ちょっと異様な雰囲気だった。逸ノ城が新弟子検査に合格した昨年11月は坊主頭で、10ヵ月経った今も髷が結えないざんばら髪。髷はプロの相撲取りの証しであり、それが結えないのはアマチュアを引きずっているような状態。もしもこの一番で逸ノ城が白鵬を破って優勝でもしたら、プロとしての大相撲の権威が崩壊するといっていい事態だった。

 以前、当コラムでも書いたが、幕内力士の強さは部屋での稽古を見ると実感できる。通常、朝稽古は番付下位の力士から始まる。下位の序ノ口、序二段あたりのぶつかり稽古でも素人目には十分迫力があるが、そこに三段目、幕下あたりの力士が加わると、さらに当たりの迫力は増す。その幕下力士も十両力士が胸を貸すとまったく歯が立たない。そこへ幕内力士が登場すると十両力士は簡単に転がされる。立ち会いで体が当たる時のバチ~ンという音や頭同士がぶつかるゴンッという音も大きく、その光景や音に接すると、尋常じゃないことをしている人たちであることが理解できる。

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相沢光一 [スポーツライター]

1956年埼玉県生まれ。野球、サッカーはもとより、マスコミに取り上げられる機会が少ないスポーツも地道に取材。そのためオリンピックイヤーは忙しくなる。著書にはアメリカンフットボールのチーム作りを描いた『勝利者』などがある。高校スポーツの競技別・県別ランキングをデータベース化したホームページも運営。 「高校スポーツウルトラランキング」


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