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博報堂が考える、次の電気と暮らしの関係「エネルギーマーケティング」の時代へ

冷蔵庫を買ったら「電気代無料」がついてきた?
完全自由化で進む“セット売り”マーケティング戦略
——横山陽史・博報堂エネルギーマーケティング推進室マーケティングディレクター

横山陽史 [博報堂エネルギーマーケティング推進室マーケティングディレクター]
【第5回】 2014年10月3日
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本連載最終回のテーマは、エネルギーという商品と、他の商品やサービスとの掛け算によるマーケティング戦略についてです。電力やガスという「商品」は誰にとっても生活に必要不可欠だが、購入先を頻繁に変えることはないもの。だからこそ、今まであまり見られなかった他の商品やサービスとの組み合わせやシナジー効果を狙ったマーケティングが、電力小売り完全自由化の後に登場してくるでしょう。電力やガスなどのエネルギーコストの負担を付加価値にすることで、さまざまな商品やサービスに新たなプロモーションチャンスが生まれてくるのです。

挙式・披露宴会場候補のホテルが
「新生活の電力料金を持ちます」と提案

 エネルギー自由化は電力という商品にブランドマークが貼られるイメージです。届くインフラ(電線)は同じでも、そこには出自や料金体系の異なる多種多様なブランドがついた電力が流れています。私たちはその中から自分に適したブランドを探して契約することになります。

 現時点では一定量以上を購入する需要者(主として事業者)向けの電力のみ自由化されていますが、2016年からの完全自由化では、あらゆる需要者が対象になります。端的に言えば、あらゆる一般家庭が電力会社にとっての営業ターゲットになるということ。

 各家庭のコンセントからさまざまなブランドを貼られた電力が得られるというイメージです。コンピュータ制御でブランドごとに課金がなされ、各電力会社の売上になります。

 電力会社側からすれば、各家庭のコンセントに自分たちの作った電力を使ってほしい、お客さんとの接点はできる限り多く持ちたい、と考えます。

 そうなると、どのようなサービスが生まれるのでしょうか? 接点を持ちたい電力会社は、どのようにしてお客さんを増やそうと策を練るのでしょうか。想像してみましょう。 

*  *

 学生時代に出会い、遠距離恋愛を経て、結婚が決まったトシヒロさんとユカさん。4月に地方勤務から東京の本社にトシヒロさんが戻ってくるのを機に入籍。同居生活を4月からスタートさせ、挙式は6月にしたいと2人で話しています。2ヵ月後に予定している東京での新生活への準備はもっぱらユカさんの役割になりました。

 そんなユカさんは、足を運んださまざまな場所で「電力料金が割安になる」というセールストークを頻繁に聞くことになります。

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横山陽史 [博報堂エネルギーマーケティング推進室マーケティングディレクター]

よこやま・はるふみ 博報堂エネルギーマーケティング推進室兼生活者データマーケティング推進局マーケティングプラットフォームソリューション部ストラテジックプラニングディレクター。外資系コンサルファームにて、コンサルティング業務を担当したのち、2001年博報堂入社。顧客企業の広告戦略、マーケティング戦略の立案に従事。2011年9月スマートグリッドビジネス推進室(現エネルギーマーケティング推進室)の立ち上げに参画。電力自由化に関する生活者調査や海外自由化事例収集等を実施し、その知見を元に、顧客企業への商品開発、ブランド戦略の提案を行っている。

 


博報堂が考える、次の電気と暮らしの関係「エネルギーマーケティング」の時代へ

2016年に電力小売りの全面自由化が予定されています。この「自由化」は事業者にとっての「自由化」だけではなく、生活者にとっても「自由化」されます。生活者はそれぞれの価値観をもって、エネルギー選びをしていきます。そうなると、企業はエネルギーに関して、これまでになかったマーケティングの発想を取り入れていく必要があります。連載ではさまざまな実例を出しながら、エネルギーとマーケティングが結びつく世界を考えていきます。

「博報堂が考える、次の電気と暮らしの関係「エネルギーマーケティング」の時代へ」

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