世界投資へのパスポート
【第334回】 2014年9月27日公開(2014年10月6日更新)
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「世界投資へのパスポート」

著者・コラム紹介

世界投資へのパスポート

広瀬隆雄 ひろせ・たかお
三洋証券、S.G.ウォーバーグ証券(現UBS証券)、ハンブレクト&クィスト証券(現J.P.モルガン証券)を経て、2003年、投資顧問会社・コンテクスチュアル・インベストメンツLLCを設立。長年、外国株式関連業務に携わっており、特にBRICsをはじめとした新興国市場に詳しい。米国カリフォルニア州在住。

広瀬 隆雄

シェールガスとシェールオイルの近況、
そして関連銘柄の見通しは?

1

【今回のまとめ】
1.シェールガス、シェールオイルは増産に次ぐ増産となっている
2.生産調整は行われているが、それ以上に生産効率が上がっている
3.それが需給関係悪化の原因となっている
4.冬になれば季節的に天然ガスの価格は強含む

シェールのおさらい

 シェール(Shale)とは頁岩(頁岩:けつがん)、すなわち泥が固まって板状になった地層を指します。

 シェールガス、ないしシェールオイルは、そのような石板によって地中深くに封じ込められた石油や天然ガスです。

 有名なシェールガス田としては、ペンシルバニア州、オハイオ州東部、バージニア州西部などにまたがるマーセラス、テキサス州のメキシコ国境に近いところにあるイーグルフォードがあります。またシェールオイル田としてはノースダコタ州にあるバーケンが有名です。

 これらの地中深くに閉じ込められた天然ガスや石油が生産可能になった背景には、掘削技術の進歩があります。

 とりわけホリゾンタル・ドリリング(水平掘削)とフラッキング(破砕法)と呼ばれる二つの技術が、シェール生産のカギを握っています。

 これらの技術が完成される以前は、地表近くに存在する石油や天然ガスを含んだ層からの生産だけが行われていました。

 これはたとえて言えば、大きな鍋に鶏がらを投げ込み、ぐつぐつ煮て、鶏がらスープを作るのに似ています。

 水の表面に浮かんだ無数の円形の油のパターン……これが、従来の生産方法でアクセスすることが可能だった石油や天然ガスです。

 これに対して、シェール開発とは、鍋の底に沈んでいる、鶏がらそのものにリーチしようとする試みなのです。

 この説明から、上澄みの油を全部採り尽くしても、鶏がらにはまだまだ美味しい部分が残っていることがお分かり頂けると思います。

 かつて「あと数年もすれば、米国の石油は全部採り尽くしてしまう」と言われていたものが、突然、膨大な新しい供給を見込めるようになった背景には、このような「新しい計算」が関係しているのです。

生産の状況

 このような新しい資源リソースを獲得できたことから、米国における石油や天然ガスの生産は、増産に次ぐ増産となっています。

 下は世界の原油生産トップ3か国の生産高です。アメリカ(青)の急成長に注目して下さい。

 次は天然ガスです。こちらもアメリカ(青)の伸びが著しいです。

 増産の結果、原油も天然ガスも、アメリカ国内の価格は世界水準に比べて安くなっています。このことはエネルギーコストの面でアメリカの産業が他の国々に対して有利な立場にあることを示唆しています。

 特に天然ガスは持ち運びが容易ではないので、局地的な需給関係に価格が大きく左右されます。アメリカでは安い天然ガスがどんどん供給されたので、天然ガス価格は低迷しています。

【2017年7月3日更新!】

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