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なぜキリンはクラフトビールに参入するのか
大手メーカーで加速する「手作り」志向のワケ

ダイヤモンド・オンライン編集部
2014年10月4日
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 いよいよ2014年も本格的に秋へと突入。秋冬の新商品が楽しみな季節になってきた。そんななか、味の数値化等を通じて商品開発のコンサルティングを行う「味香り戦略研究所」が2014年秋冬以降の新商品トレンドについて、興味深い見解を発表した。

 「大手メーカーを中心に“手作り感”“素材そのまま”を模索した商品開発が急速に進んでいます」

味香り戦略研究所 味覚コンサルタント・菅慎太郎さん

 こう語るのは、味香り戦略研究所の味覚コンサルタント・菅慎太郎さんだ。菅さんは1970年から現在までの味のトレンドを、以下のように20年周期で分析している。

 「70年~90年までは71年に1号店がオープンしたマクドナルドを代表に『新しい味』がとにかく好まれました。そして次の90年~2010年までは、新しい味を楽しみつくした消費者に『最高の味』が求められました。食べログの登場はその象徴でしょう。そうして新しい味も最高の味を知り尽くした消費者が、2010年以降求め始めているのが『自分にとって良い味』です」(菅さん)

 この消費者の嗜好を反映してか、2010年前後、ファミリーレストランをはじめとした大手外食チェーンの作り手の見えない個性を失った“均質的”な商品は、限界を迎え、苦境に陥っていた。そこで、巻き返しを求められた外食チェーンや大手食品・飲料メーカーは、「自分にとって良い味」を模索する個々の消費者に嗜好してもらえるよう「おいしさの原点回帰」をこの数年行ってきているが、それがこれまで工場大量生産では難しいとされてきた“手作り”“素材そのまま”の商品開発へとつながっているようなのだ。

 ここ最近、店内での“手作り”にこだわったファミリーレストランのV字回復、店頭で販売している“挽きたて&淹れたて”コンビニコーヒーが好調なのも、こうした背景を反映している1つではないだろうか。

キリンのクラフトビール参入が象徴的?
消費者が手軽に“手作り”を味わえる時代に

キリンが展開する「スプリングバレーブルワリーシリーズ」のプロトタイプ。ネット上だけで予約も行われている

 そんななか、大手飲料メーカーでその傾向を顕著に見せている1つの例が、キリンビールだ。キリンは、「スプリングバレーブルワリー」というちょっと舌を噛みそうなプロジェクトを今年7月に開始。なんとクラフトビールづくりに参入を決めた。

 クラフトビールといえば、小規模なビール醸造所でビール職人によって作られる高品質なビール。地方の観光地などで味わうのが一般的だった。それに対しキリンは2015年春、醸造の様子を見ながらビールを楽しめるブルワリーを東京・代官山に開き、また横浜工場内にて小規模醸造設備にて生産予定だという。フルーツも使った量産品では実現できなかった“手作り感”のある商品はすでに好調で、先行でネット限定販売されたプロトタイプの商品は出せばすぐ予約完売している。

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