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ヒントはここにあった!先端ITで日本企業の未来を変える

社員との会話を経営に生かす覚悟が必要
――間違いだらけのエンタープライズソーシャル活用法(2)

安間 裕 [アバナード株式会社 代表取締役]
【第6回】 2014年10月15日
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 こんにちは。前回は、アバナードの米国本社が行った「世界1000社のCxOに聞きました」型調査についてお話ししました。それによると、約77%の企業が「エンタープライズソーシャル」を活用しており、また、そのうちの82%が、今後さらに活用していきたいと回答しています。

 その一方、IDCが2013年に行った調査によると、エンタープライズソーシャルの活用は日本企業の16.5%にとどまり、しかも利用は一部の部署に限られるという結果が出ています。同調査で、「現時点で利用意向がない」と答えた企業の60%以上は、その理由として「利用目的が不明確だから」と答えています。

 ところが、多くのネットの記事などでは、「どうしたらエンタープライズソーシャルは浸透するか」を、推進担当者の視点から書いています。これでは経営者への回答になっていません。それこそが大きなギャップであり、ひょっとすると「エンタープライズソーシャル」が推進されない大きな「罪」なのかもしれないと書きました。

 そして前回、エンタープライズソーシャル導入の目的を、以下のとおりと規定しました。

1.「価値観、ビジョンの共有」「一体感の醸成」のメッセージング
2.それらのメッセージに対する「反応」を分析し、アクションにつなげること
3.CRMやERPなどの「ビジネスプロセス」と連動し、社内の英知を集め、実際の仕事の生産性を上げられること

 そして、この2と3が非常に重要であると説明しました。

 マッキンゼーの報告では、20~25%のホワイトカラーの生産性の向上が報告されており、かなりの「費用対効果」が得られるとも話しました。

経営者がソーシャルに参加し、
その中で約束を果たすこと

 目的の明確化の次は、浸透の第一歩である「どのように使わせるか」です。

 まずは、よく言われる「トップのコミットメント」です。これは「予算を出すこと」や、「推進のシュプレヒコールをすること」のみではありません。

 何より、自ら参加をすること、そしてそこでの「会話」を経営に反映することです。

 私自身も経営者として、メールや社内報などを通じ、自分の考えを社員に伝えていますが、「エンタープライズソーシャル」は、会話として、双方向に近い形でコミュニケーションができるところ、それから、会話形式なので「結果の一方通行」ではなく、考え方を「プロセス」によって共有できるところが、とても重要です。

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安間 裕 [アバナード株式会社 代表取締役]

団体系保険会社、外資系商社を経て、1998年にアクセンチュアに入社。その後外資系広告代理店を経て2001年に再度アクセンチュアに入社、アクセンチュア・テクノロジー・ソリューションズの設立に携わり2002年8月に同社代表取締役社長に就任。2009年アクセンチュア執行役員アウトソーシング本部長、2010年執行役員ビジネスプロセス・アウトソーシング統括本部長を歴任。副社長としてフューチャーアーキテクトの経営に携わった後、2014年4月にアバナードに入社。1982年明治大学文学部文学科フランス文学専攻卒。1959年生まれ。


ヒントはここにあった!先端ITで日本企業の未来を変える

IT業界のフロントランナーである筆者が、日本企業の経営やビジネスの最前線で働く人々に向けておくる連載第2弾。昨今のITで起きていることを、いわゆる「Buzz Word(はやり言葉)」としてではなくビジネスの言葉で解説。客観的データを基にした冷静な分析で、今日から仕事への意識を変えられるヒントを提供する。

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