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世界が認める「北海道産」の圧倒的なブランド力
美瑛町が農産物の海外輸出に成功した理由

樋口直哉 [小説家・料理人]
2014年10月16日
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北海道・美瑛町『美瑛選果』に並ぶ野菜たち

 政府は「農林水産物=食品」の輸出額を2020年までに1兆円水準にするという目標を定めている。世界の”食”市場は拡大を続けていて、その年には680兆円に達すると言われており、そこになんとか食い込みたいという狙いがあるようだ。

 日本の農産物をこれまで以上に輸出するためにはなにが必要なのか? そのヒントを求めて、北海道美瑛(びえい)町を訪れた。この町でつくられているゆり根が台湾で人気だと聞いたからだ。

独自のブランド化に成功した
北海道美瑛町の農産物

 北海道の農産物はすでに国際的なブランド力を持っている。例えば日本にも進出している台湾の人気パイナップルケーキ店、SunnyHillsの売りは『北海道産の小麦粉』を使用していることで、わざわざパンフレットにも印刷されているほどだ。

 なかでも美瑛は独自のブランド化に成功した地方である。国内でも美瑛の農産物は『北海道産』ではなく『美瑛産』として売られていることが多いが、海外でもそれは同じだという。

 美瑛町を訪れた人のほとんどが立ち寄る場所がある。駅からほど近い場所に建てられた『美瑛選果』という農産物の発信拠点だ。ガラス張りの建物で、試食ができる直売所とフレンチレストラン、パン工房を併設している。JAがレストランまで持っている例は全国的にも非常に珍しい。

 JAびえい、販売企画課の井上匡史さんにご対応いただいた。『美瑛選果』の立ち上げから関わってこられた井上さんが強調されたのは「我々は特別なことをしているわけではない」ということだった。

販売企画課の井上さんをはじめスタッフの多くは若い。取材をしているといつも改革に必要なのは理解のある上司と若い現場力だと痛感する。パッケージのデザインなども内部でおこなっているそう

 「美瑛は観光地として有名な富良野と、北海道で2番目に大きな都市である旭川に挟まれたいわゆる『通過型』の町で、名前もそれほど知られているわけではありませんでした。私が農協で勤めはじめた頃──ちょうと10年ほど前ですが、様々な場所で地域ブランディングが課題として持ち上がっていました。ここJAびえいでも、私のような2年目、3年目の若手を中心にマーケティングプロジェクトチームがつくられました」

 井上さんたちのような若手を中心としたチームは年間100日ほどは様々な場所に農産物を持ち込んで消費者に直接販売したり、新しくカタログをつくってみたり、と様々なことを試みたそうだ。

 そのなかで「大きかった」と井上さんが語るのは大手広告代理店が作成した地域ブランディング・プログラムを勉強できたことだという。

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樋口直哉 [小説家・料理人]

1981年生まれ。服部栄養専門学校卒。料理人として活動する傍ら、2005年、『さよならアメリカ』で群像新人文学賞を受賞し、小説家としてデビュー。ほかの作品に『月とアルマジロ』(講談社)、『大人ドロップ』(小学館)、『星空の下のひなた。』(光文社)、『ヒマワリのキス』(徳間書店)、『アクアノートとクラゲの涙』(メディアファクトリー)がある。

 


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