「あ、また、ルンちゃんはまっている」(我が家ではお掃除ロボットの「ルンバ」をルンちゃんと呼んでいる)

「今日は、全部掃除し終えたみたいね」

 我が家にルンバがやってきてから、早1年半が経過する。床の掃除はルンバの担当となった。時々、家具と家具の間に挟まって、業務不履行になっているときもあるが、それはご愛嬌。我が家における掃除の時間が、確実に減ったことは間違いない。

 ルンバを開発したアイロボット(iRobot)社は、1990年に設立されたロボット専業メーカーだ。理念は「Dull、Dirty、Dangerous(退屈、不衛生、危険)な仕事から人々を解放する」。まさに我が家では、その理念の恩恵を受けている。

ロボット企業でありながら
サービス企業の片鱗を見せるiRobot社

 ルンバは「お掃除ロボット」という、新しい市場を確立した。ルンバのヒットにより、日本の家電メーカーもこぞってお掃除ロボットを投入し始めた。ルンバの開発企業であるiRobot社は商品企画力、開発力に長けていると思われがちだが、最近は新しい側面を見せ始めている。ビジネスモデル力としても秀逸なのだ。筆者が提唱する「Forest Map」に当てはめてみると、「価値づくりプロセス」でも収益化を急いでいる。

「♪ルンバを充電してください」

 掃除中に電池切れになると、ルンバはこのようなメッセージを発する。

「最近、バッテリーの持ちが短くなったかな。バッテリー劣化したかな。交換時期かな。そういえば、ブラシも少し摩耗してきたな」