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どう中国と付き合うか 日中首脳会談は実現するのか、両国は何を話すべきなのか

4つの日中共同声明に立ち帰り、趣旨を確認せよ
安倍・習両首脳に42年間の努力を覆す権利はない
——丹羽宇一郎・前中国大使インタビュー

ダイヤモンド・オンライン編集部
【第8回】 2014年10月22日
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にわ・ういちろう
1939年名古屋市生まれ。1962年名古屋大学法学部卒、伊藤忠商事入社。主に食料部門に携わる。98年社長就任、業績不振に陥っていた同社を立て直す。2004年会長。10年同社取締役退任。10年6月~12年12月まで中華人民共和国駐箚特命全権大使を務める。主な著書に『人は仕事で磨かれる』〈文春文庫〉、『北京烈日』(文芸春秋)など。
Photo by Toshiaki Usami

総合商社、伊藤忠商事で社長、会長を歴任した丹羽宇一郎氏は、2010年6月から12年12月まで、民間出身として初めて駐中国大使を務めた。任期期間中は、尖閣諸島での漁船衝突事件、猛烈な反日暴動が発生。日中関係がみるみる悪化していく中で大使を務めていた。その丹羽氏の目には、この二年間、膠着状態に陥り、関係改善の兆しさえ見えなかった日中関係はどのように見ていたのか。また、この数ヵ月はAPECでの日中首脳会第開催へ向けて、関係修復を目指す動きが徐々に見え始めているが、それについてどのように評価するのか。見解を伺った。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン編集長 原 英次郎、片田江康男)

隣国で世界第二位、三位の国が
口もきかないなんて、世界の珍事だ

――11月に中国北京で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)を利用して、日中首脳会談が開かれるか、注目が集まっています。丹羽さんは2010年6月から2012年12月まで、大使を務められたときは、関係悪化が急速に進んだ時期でした。9月以来、日中両国は関係改善へ向けて努力を重ねている様子が、メディアを通して私たちの耳にも入ってくるようになりました。丹羽さんは現状をどのようにご覧になっていますか。

 うーん……、日中首脳会談をすべきだということは、今に始まったことではないと思いますよ。1年以上、首脳会談をすべきであることは言われているし、だれもがその必要性を感じています。

 習近平国家主席は2012年以降、いや、その前からずっと「日中両国は住所変更できません。だから仲良くやっていくしかない」と言っています。今のままの日中関係ではダメで、首脳会談をして関係改善をしなければならないことは、日中両国にとって分かり切っていることでしょう。

 戦争状態ではない隣国同士が喧嘩をして話もしない、それが何年も続いているという国は、世界でありますか? 戦争状態のパレスチナとイスラエルだって、話し合いをするくらいなんですよ。世界第二位、第三位の経済規模を誇る日中のトップ同士が、二年間も話もしないなんて、世界の珍事ですよ。歴史上、そんな国はないですよ。

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どう中国と付き合うか 日中首脳会談は実現するのか、両国は何を話すべきなのか

今年で3回目となる日中関係を考える連載「どう中国と付き合うか」。今年は11月に中国北京でAPECが開催されることから、この機会を利用した日中首脳会談が開催されるかどうかは、早い時期から日中関係ウォッチャーの間で話題となっていた。しかし、両国の閣僚や政府筋の発言を見ていても、明確な関係修復の兆しは見られない。識者には「APECで日中首脳会談が開かれなければ、両国関係は本当にマズいことになる」という危機感が募る。果たして11月、安倍晋三首相と習近平国家主席は会談の席につくのか。席につかせるためには、両国はどのような努力をすべきなのか。日中の歴史、外交、防衛などの専門家に寄稿、インタビューから、その答えを探る。

「どう中国と付き合うか 日中首脳会談は実現するのか、両国は何を話すべきなのか」

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