率直に非を認めた小渕氏
非を認めない松嶋氏

 経産相を辞任した小渕優子氏は、20日の記者会見で、自らの政治資金の会計処理などについて、「大きな疑問があると言わざるを得ない」と率直に認めた。同時に「私自身、分からないことが多すぎる」と未熟さを悔やんだ。

 また、今後については「政治家として全て、一から出直そうと思う」と語ったが、「議員として、しっかり政治家としての説明責任を果たしていきたい」と議員辞職は想定していないような発言をした。

 一方の松島みどり氏は、最後まで非を認めていないような印象だ。うちわを「討議資料」と抗弁するなど論外だが、その態度に何ら反省は見られない。「私自身は再生可能な失敗だと思っている」という発言に至っては怒りさえ覚える。

 法務大臣としての不適格性はもちろんだが、衆議院議員としても「再生」することはきわめて困難だ。この法相人事には安倍晋三首相の重い任命責任がある。

“次代を担う政治家”を目指すなら
議員辞職をして地元で勉強すべき

 さて、小渕氏が本気で出直すなら、閣僚辞任だけでなく、この際議員辞職まで決断してほしいと期待している。

 まず(1)政倫審に自ら申告して説明する、(2)衆議院議員を辞職する、(3)できれば地元群馬に在住して修練を積む、それによって、政治家・小渕優子は飛躍的に成長し、名実ともに次代を担う指導者の1人として再登場できるだろう。

 確かに、閣僚を辞任し、説明責任を果たせば一件落着のようにも見える。だが、それによって、「分からないことが多すぎる」欠陥は是正されるものではない。

 既に、議員辞職を求める声が出始めている。今後もその要求は消えないだろうから後ろめたさを感じながら政治生活を送ることにもなりかねない。

 私は本欄でも内閣改造での小渕優子氏の起用に期待をした。経産省関連の原発政策やTPPなどの重要課題に何とか小渕流の軌道修正をしてほしいと願ったからである。

 だが、小渕大臣は残念ながら既定の官僚路線にすんなりと乗っただけであった。報道によると今回の辞任劇でも、官僚側から、小渕人気を利用して原発再稼働をすることができなくなったとの無念の声があるそうだ。