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地銀の女性行員相互受け入れ構想は
銀行人事の「社畜の鎖」を断ち切れるか?

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第352回】 2014年10月29日
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気持ちは支持したいが……
地銀の女性行員相互受け入れ

 小さいけれども、心に引っかかるニュースが時々ある。「夫の勤務地に転職、女性行員に導入検討 全国64行」という『朝日新聞』(10月24日朝刊)の記事は、筆者にとってその類だった。

 記事の内容は、地方銀行に勤める行員が、配偶者の転勤先にある別の地銀で働けるようにする仕組みを、全国の地方銀行64行が検討するという内容だ。11月に「輝く女性の活躍を加速する地銀頭取の会」という組織を発足させて、詳細を検討するという。

 会の名称から実現性、さらには問題そのものの前提条件に至るまで、率直に言ってツッコミどころ満載の構想だが、主に女性が家庭の事情でキャリア上著しく不利な扱いを受けることが多い問題を、業界単位で改善できないかと地銀の頭取さんたちが考えていることは前向きに評価し、支持したい。この問題意識と改善意欲を、問題の解決まで持ち続けてほしいものだ。

 具体的には、地銀に勤めていて夫がいる女性行員の夫が転勤した場合に、女性行員が転居する先にある地銀で継続的に働くことができる仕組みをつくろうとしている。

 これが実現すると、女性行員の側では夫と共に転地することに伴い、キャリア上大きな不利を受けるケースが減る。

 これまでだと、いったん退職してから職探しする形になるので、まず退職金や年金の条件が不利になる。また、夫の赴任地で新たな働き口を探すと、正社員のポジションが見つからないケースが多いし、銀行で職を得られるかどうかもわからない。

 働かない期間ができると人材としての価値が落ちるし、ますます好条件の再就職が難しくなる。こうした不利が起こるケースが減るのは、女性行員にとっていいことだ。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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