ピンまで15ヤードのバンカーショット。ボールの手前にクラブヘッドを落とそうと思ったのに、直接ボールを打ってしまい、グリーンの反対側のバンカーに再び入ってしまった。または、俗にいう「ホームラン」の状態で大オーバーして、打球がOBゾーンに吸い込まれた。そんな苦い経験はないでしょうか。

 バンカーでのトップ(ホームラン)のミスは、構えたときの「目線」に原因があります。

 ドライバーやアイアン、アプローチなどの通常のショットは、ボールを直接打つので、ボールを見て構えます。しかし、バンカーショットは違います。ボールの手前にクラブヘッドを落とすので、アドレスしたら、その「落とし場所」を見なくてはいけないのです。

 アマチュアの多くは、ボールを見ながら、クラブヘッドを違う場所に落とそうとしています。これでは、打つポイント(クラブヘッドを落とす場所)と見ているところがずれているのですから、失敗するのも当たり前。極論すれば、バンカーは「ボールを見なくてもいい」のです。

【第28回】アマチュアゴルファーのお悩み解決セミナー<br />Lesson28「バンカーショットは“目線”に注意しよう」
実際のボールの1個ぶん手前に、もう1つのボール(赤いボール)をイメージし、そのボールを打つつもりでスウィングする。

 アドレス時に、実際のボールの一個ぶん手前に、仮想のボールを置き、そこに目線を向けましょう。

 写真のように、もう一つのボール(赤いボール)をイメージして、そのボールを打つつもりでスウィングしてください。そうすると、目線の先(ターゲット)とクラブヘッドの落とし場所が一致して、正しいエクスプロージョンになります。

 バンカーのインパクトは、結果的に「ダフっている」状態になりますが、だからといって、意図的にダフらせようとしてはいけません。「ダフってもいい」と思って打つと、スウィングが悪くなってしまいます。悪いスウィングだから、ミスが頻発するわけです。

【第28回】アマチュアゴルファーのお悩み解決セミナー<br />Lesson28「バンカーショットは“目線”に注意しよう」
リズムよくスウィングして、クラブを最後まで振り切る。中途半端なスウィングがいちばんいけない。

 バンカーショットも通常のショットと同じように、いいスウィングを心がけることが大切です。そのターゲット(目線の先)が、ボールでなく、ボールの手前に変わるだけ。ボールの手前に向かってナイススウィングすれば、バンカーは一気に簡単になります。

(取材・文 小山俊正)