日本でハロウィンと言えば、時期にある程度の幅があるが、今日10月31日がハロウィンの当日だ。今や推定の市場規模は1100億円と、バレンタインデイを上回る勢いのハロウィンはどうやって日本に定着したのか。そして今後どうなるのかを考えてみよう。
古代ケルト人の宗教行事が
いかにして日本で広まった?
世界的に見ると、大衆行事としてハロウィンを祝う習慣があるのは、アメリカやイギリス、アイルランド、カナダなど数ヵ国が主だ。そもそもは古代ケルト人の収穫祭が起源とされ、悪霊を祓う意味合いも持つ宗教的行事だった。そのハロウィンから宗教色がほとんど薄れ、人種や民族を問わず楽しめるイベントとして広く受容されるようになったのは、20世紀に入ってからとされている。
現在、特にアメリカにおけるハロウィンは商業化が著しく、クリスマスやイースターに次ぐ大規模なイベント商戦として市場が活性化している。なかでも大きく影響を受ける商材は、子どもにあげるキャンディをはじめとした「菓子類」、お化けや魔女の仮装コスチュームなどの「衣装」、家や店舗の飾り付けに用いられるオーナメントなどの「装飾」、そして友人に送る「グリーティングカード」の4つが中心で、いずれも小売業界が主役となって市場を盛り上げている。
2014年に発表された全米小売業協会の調査によれば、ハロウィンに関わる推定消費額は全米で74億ドル(約8000億円)に上る。全体的な推移では、2005年に32.9億ドルだったものが、2012年には80億ドルに達しており、市場規模は大幅な拡大傾向にあるようだ。
元来10月から11月にかけての秋シーズンは消費が落ち込む時期であり、10月末に催されるハロウィンは、停滞しがちな消費を促進する格好のビジネスチャンスとして好都合。そこで日本でも多くの業界が盛り上げにかかっているが、アメリカのハロウィン商戦のスケールに比べると、まだまだ小規模なものに留まっている。