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ファシリテーションの道具箱 森時彦

「見えざる力」を分析して、実行力を高める

森 時彦 [チェンジ・マネジメント・コンサルティング代表取締役/リバーサイド・パートナーズ代表取締役]
【第5回】 2007年12月13日
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 会議でいくらいい結論を出したところで、それが実行できなければ、組織のパフォーマンスは上がらない。組織には、人の心に働く「力」がいろいろな形で存在している。それらが慣性力となって、実行段階で新しい活動を阻害する。

 例えば、上司・同僚との人間関係もその1つだし、風土・カルチャーも人の心に影響を与える。そういった見えにくい力もあれば、規則や奨励金など明示的なものもある。その「見えざる力」をいったん言語化し、分析することで、実行力を高めようというのがフォースフィールド(力の場)分析である。前回取り上げたデパートのケースで紹介しよう。

[事例]催事に頼るデパート経営

 右肩下がりの業績が続く中、「形だけの月例業績報告」や「申し訳のためだけのような期末催事」といった悪しき習慣から脱却して、収益増加につながる新しい集客モデルを模索しようと合意したプロジェクトチームだが、そう簡単には新しい集客モデルは見つからない。そうなるとどうしても、ただ忙しく作業をするだけの従来の行動パターンに引き戻されてしまう。

 そこで、この業務改革チームのリーダーのA氏は、プロジェクトメンバーを招集し、社員の心に働く「力」を見える化することにした。ホワイトボードの真ん中に縦線を引いて左右2つの空間をつくると、左側に「新しい集客モデルを模索する力」、右側には「それに抵抗する力」と題書した。

 「最近、月曜の定例会への出席も滞る人が出はじめています。そこで今日は、この新しい集客方法を模索するプロジェクトにみなさんが時間を割けない原因を、この図を使いながら考えてみたいと思います」

 はじめは、なかなか「力」という形で意見が出にくかったが、A氏はメンバーの声を丹念に別のホワイトボードに箇条書きしながら、時々それを要約するような形で心に働く力をフォースフィールドに描き出していった。

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森 時彦 [チェンジ・マネジメント・コンサルティング代表取締役/リバーサイド・パートナーズ代表取締役]

1952年大阪生まれ。大阪大学、マサチューセッツ工科大学卒。工学博士、経営学修士。日本GE役員、テラダイン日本法人代表取締役等を経て、チェンジ・マネジメント・コンサルティング代表取締役。2007年、中小企業の成長促進・事業承継に重点を置いた投資会社リバーサイド・パートナーズの代表取締役に就任。著書に『ザ・ファシリテーター』『ザ・ファシリテーター2』『ファシリテーター養成講座』(いずれもダイヤモンド社刊)などがある。


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