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トンデモ人事部が会社を壊す

世紀の悪法が雇用の現場をかき回す(下)
選択肢の拡充が、救世主となる

山口 博
【第11回】 2014年11月18日
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 「五月病」は良く知られている。4月に環境が変化したことによる緊張が一段落する5月に到来する病であるが、 「3年目の病」という病気も存在することはご存知だろうか?

「3年目にはどうせ異動するから……」
硬直化した”先の見える”人事政策の弊害

 「3年目の病」とは、3年程度で人事異動が行われることが一般的な保険会社や銀行の総合職のうち、中位層が陥りやすい病だ。「3年程度でどうせ転勤なので3年目は無理をしないで仕事をしておこう」「この部署での在籍もあと少しなので、適当に流しておこう」と考えることで、パフォーマンスが大きくダウンする。

 周囲も、「○○さんは3年目だから……」ということで、仕事の依頼を遠慮したり、特に中長期的な仕事に関わらせることを控えたりする心理が働く。こうした周囲の遠慮が、本人の意識に輪をかける悪循環が発生する。

 3年程度で人事異動があるという決まりきった異動方針は、硬直化した人事施策の一例。要するに、自分のキャリアパスが見えすぎることで、パフォーマンスの低下を生んでしまうのだ。

 異動先の意味づけを固定化することも、やる気をそぐ。例えば、実際に私が勤務した保険会社では、「法人営業部へ異動するのは傷を負った者ばかりだ」「人事部へ異動すればエリート・コースへ乗ったことを意味する」「支社を2場所連続で異動すればもう本社へ戻れない」といった類の”定説”が存在していた。

 こうした定説ができるほど、異動先の意味づけは固定化し、それにより社員のモチベーションは明らかに下がる。

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山口 博

やまぐち・ひろし/慶應義塾大学法学部政治学科卒(サンパウロ大学法学部留学)、長野県上田市出身。国内大手保険会社課長、外資系金融保険会社トレーニング・シニア・マネジャー、外資系IT人材開発部長、外資系企業数社の人事部長、人事本部長歴任後、現在、コンサルティング会社のディレクター。横浜国立大学大学院非常勤講師(2013年)、日本ナレッジ・マネジメント学会会員。近著に『チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社、2016年3月)がある。

 


トンデモ人事部が会社を壊す

サラリーマンの会社人生のカギを握る人事部。しかし近年、人事部軽視の風潮が広まった結果、トンデモ人事部が続々と誕生している。あっと驚く事例をひもときながら、トンデモ人事部の特徴や、経営陣がすべき対処法などを探っていく。

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