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魚食王国ニッポン~元気をつくる「浜のめし」 池田陽子

“さばのアップルパイ”を生んだ奇跡の港町
脂ノリ日本一の「八戸前沖さば」がスゴイことになってた

池田陽子 [食文化ジャーナリスト/薬膳アテンダント]
【第3回】 2014年11月25日
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「八戸前沖さば」の水揚げ風景

 日本有数の水揚げを誇る青森県・八戸港。サバはその多くを占める魚だ。

 八戸は本州における最北端のサバの漁場。北緯40度30分に位置する八戸港では、秋の早い時期から冷涼な海水に育まれ、身の締まったサバが水揚され、脂のノリも抜群だ。

 平成20年よりブランド化された「八戸前沖さば」は、脂のノリが日本一といわれている。トップシーズンに八戸前沖で漁獲される600g以上のサバの粗脂肪分は、30%に達するものもある。さらにその脂は身全体に入り、肉でいえばまさに霜降り。いわば「サバの大トロ」ともいえる味わいを堪能できる。

 大分県の関さば、宮城県の金華さば、高知県の清水さば、長崎県の旬サバ……、日本各地にはブランドサバがある。

 じつは筆者は、さばファンの団体「全日本さば連合会」広報担当として「サバジェンヌ池田」名義で活動を行っている。活動の一環として、日本各地のサバの漁獲量が高い町を訪ねる機会も多い。

 いまやブランドさばの代名詞でもある「関さば」に続け! とサバのブランド化を試みる産地も多いのだか、じつはサバのブランド化はなかなか難しい。

 サバは「当たり前の魚」。身近すぎるのだ。

 産地ではサバは冷遇されがちだ。ふんだんに水揚げされるエリアでは、サバは「値段も安く、価値のない魚」。サバより高い値がつく魚はたくさんほかにいるわ、毎日食卓には当たり前のように存在するわで、「サバにスペシャル感を求める」という機運が高まらないらしい。「サバじゃなきゃダメ!」とはならないのだ。

 そんななか、町をあげての展開に取り組み、ブランドを形成し、認知を広げている八戸前沖さばは近年における、成功例だ。

「ありがたみのない魚」だったサバが
青森に負けないための“起爆剤”に!?

 八戸前沖さばを全国にPRするべく取り組みを行っているのが、「八戸前沖さばブランド推進協議会」。八戸前沖で漁獲されるサバの食味を含めた品質の高さを証明するとともに、地域ブランド形成に向けた活動を推進するために、平成20年に水産、観光、飲食店などが一体となって結成された。八戸前沖さばの魅力を市内外に発信し、観光誘客促進や水産業振興など地域経済の活性化に貢献することを目的に、さまざまな活動を積極的に行っている。

 協議会会長である武輪俊彦さんは、八戸前沖さばの魅力をこう語る。

 「夏の間を北海道沖で過ごし、プランクトンが豊富な北の海で丸々と太ったサバは9~10月頃に南下しはじめます。この時期に獲れる八戸前沖のサバは脂肪が身に入り、旨みが格段に上がります」

 しかし八戸のサバも、他産地同様、獲れすぎるばかりに「地元ではまったくありがたみのない魚でした」と武輪さんは語る。新鮮なサバは地元に多く出回るが食卓に「青空のごとく」当たり前にたたずむ存在。

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池田陽子[食文化ジャーナリスト/薬膳アテンダント]

宮崎生まれ、大阪育ちのアラフォー。立教大学卒業後、出版社にて女性誌、ムック、機内誌などの編集を手がける。取材を通して、カラダとココロの不調は食事で改善できるのでは?という関心から国立北京中医薬大学日本校に入学し、国際中医薬膳師資格取得。自身の体調の改善、美容効果などをふまえてふだんの暮らしの中で手軽に取り入れられる薬膳の提案や、漢方の知恵をいかしたアドバイスを、執筆、講習会などを通して行う。また、日本各地の食材を薬膳的観点から紹介する活動も積極的に取り組み、食材の新たな魅力を提案、発信を続け、食文化ジャーナリストとしての執筆活動も行っている。著書に「ゆる薬膳。」(日本文芸社)「缶詰deゆる薬膳。」(宝島社)、「『ゆる薬膳。』はじめたらするっと5kgヤセました!」(青春出版社)などがある。
■HP:www.yuruyakuzen.com
■Facebook:https://www.facebook.com/yoko.ikeda.79

また、鯖をこよなく愛し、日本全国・世界のさば、さば料理、さば缶を楽しみ、さば文化を語り、さばカルチャーを発信し、さばで日本各地との交流をはかることを趣旨に活動している「全さば連」(全日本さば連合会)にて外交担当「サバジェンヌ」としても活動中。
■全さば連HP:http://all38.com
■FACEBOOKページ:http://www.facebook.com/mackerel.cava  

 


魚食王国ニッポン~元気をつくる「浜のめし」 池田陽子

和食が世界遺産に認定され、改めて見直される「魚食文化」。日本各地にはさまざまなおいしい魚が水揚げされ、地元ならではの「魚料理」があります。この連載では日本各地の各種魚の産地を訪ね、「とっておきの漁師料理/ご家庭の魚料理/ご当地魚グルメ」を紹介。あわせて漁の様子、市場の風景など、おいしい「浜のめし」を支える人々の活躍をお届けします。

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