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ヒット商品開発の舞台裏

50年越しでようやく開発に成功!?
不可能を越えて生まれた薄さ0.01ミリのコンドーム
――相模ゴム工業

夏目幸明 [ジャーナリスト]
【第1回】 2014年11月26日
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極薄コンドーム実現に立ちはだかった
高いハードル

 ユーザーアンケートによれば「使用感がいい」だけでなく「ぬくもりが伝わってくる」らしい。コンドーム「サガミオリジナル001(ゼロゼロワン)」が爆発的なヒットを記録している理由だ。

菌と同じ程度の薄さを実現した「サガミオリジナル001(ゼロゼロワン)」。在庫が確保できず、一時販売中止となったほどの人気だ

 しかも、このヒットの「準備」が、今をさかのぼること50年前から始まっていたことが興味深い。研究開発を担当した、総合開発部の山中千秋主任研究員が話す。

 「弊社は1960年代から、ゴムの素材はいつか天然のものに代わり、合成ゴムが使われるようになるのではないかと考え、市場の変化に備え研究を続けていたのです」

 天然ゴムは、ゴムの木から採取されるもので、成分中には、いわゆる「ゴムのにおい」の元となるタンパク質なども含んでいる。そして、長くコンドームに使われてきた「ラテックス」は天然ゴムだ。一方、合成ゴムは人間が化学的に合成するから、余計な成分は含まず素材は均一。だから60年代から、手袋や接着剤など様々なゴム製品の素材が、次第に合成ゴムへと置き換えられていく大きなトレンドがあった。なかでも「ポリウレタン」は、分子の設計を変えれば、固さや、熱への強さなどを調節できたため、人工心臓、人工血管から自動車部品まで、様々なものの原料になってきた。

 当然、強度も高めることができる。「天然ゴム(ラテックス)のコンドームは、破れる危険などがあるため、薄さ0.03ミリが限界でした。しかし、ポリウレタンは約3倍の強度が出せました。単純に計算すれば0.01ミリまで薄くできますよね(笑)」(山中氏)

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夏目幸明[ジャーナリスト]

1972年、愛知県生まれ。早稲田大学卒業後、広告代理店に入社。その後、雑誌記者に。小学館「DIME」の『ヒット商品開発秘話 UN.DON.COM』や講談社「週刊現代」の『社長の風景』などを連載中。著書に『大停電(ブラックアウト)を回避せよ!』(PHP研究所)などがある。


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よい商品やサービスが必ずしも売れるわけではなく、ヒットするには何かの仕掛けが必ずある。ユニークな技術から、消費者の心をつかむマーケティングまで、ヒット商品・サービスの秘密に迫る。

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