米は鮮度が命
【第2回】 2014年11月28日 野地秩嘉

「米は野菜であり、生鮮食料品だ」の巻
短期集中連載・その2

「精米」とは何をすることなのか
米の美味しさの秘密に迫る

 都立大学の米穀店、スズノブ。店頭風景は一般の米屋とは相当に違う。扱っているのは玄米だけ。かつては白米も売っていたというが、いまは店主、西島豊造氏が推薦するブランドを玄米で置いてある。客はたとえば「ゆめぴりかを2キロ」とか「特選つや姫を1キロ」などと指名する。すると、従業員が店頭の精米機で白米にしてくれる。また、同店は「持ち込み精米」もやっているから、田舎から玄米が送られてきた人が精米だけのためにやってくることもある。持ち込み精米の料金は1キロ当たり82円。安い。

 西島豊造氏は五つ星お米マイスター。米をおいしく食べることについては誰よりも詳しい人である。

「精米とは玄米にあるヌカと胚芽を除去すること。つまり、表面を削り取るわけです。精米して食べることは都市部では少ないけれど、米の産地の人にとっては当たり前です。町なかにはコイン精米機があるから、食べる分だけ精米しています。米は精米したばかりがもっともおいしく食べられます。おいしく食べたい方は精米サービスをする米穀店へ行くか、もしくは家庭用精米機を買うしかありません」

 家庭用精米機は1万円前後である。育ち盛りの子どもがいる家庭ならば買っても損はしないだろう。

 私は西島氏に精米機代を節約したい人はどうすればいいのかを一応、聞いてみた。

「一升瓶に玄米を入れて、棒でついていけば白米になります。あまり力を入れると米が割れます。気をつけてください。また、すり鉢に玄米を入れ、軟式野球のボールでゴロゴロやればヌカは取れます」

 やってみたい気分はあるけれど、すり鉢や軟球を買うくらいならば家庭用精米機を購入するべきだろう。

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野地秩嘉 1957年東京都生まれ。早稲田大学商学部卒業。出版社勤務、美術プロデューサーなど を経て、ノンフィクション作家に。食や美術、海外文化の評論、人物ルポルタージュ など幅広く執筆。近著に、「TOKYOオリンピック物語」「イベリコ豚を買いに」「打 ち合わせの天才」「アジア古寺巡礼」「アジアで働く いまはその時だ」など。


米は鮮度が命

今年も新米が出揃い、やはり新米は旨い!と喜んでいる方も多いだろうこの時期、 改めてお米の美味しさとは何かを考えます。偶然、玄米を贈ってもらった著者の 経験を基に、お米について、知っておいて損はない基礎知識をお届けします。

「米は鮮度が命」

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