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【愛知県】 地味だからこそ、日本経済を牽引

都道府県データ:Vol.1

岩中祥史 [出版プロデューサー]
【第1回】 2008年7月18日
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 厳密にいうと、江戸時代以前からのなごりで、愛知県は西部の尾張地方と東部の三河地方に分かれる。もちろん、それぞれ県民性にも大きな差がある。

 三河のほうは東隣の遠州(遠江=静岡県西部)と共通したものがあり、地味だが進取の気性が強い。冒険をいとわないから、傍から「大胆すぎるのでは……」と思われても、委細かまわず突っ込むところがある。トヨタ自動車の祖といってもよい豊田佐吉も、元をたどれば遠州の出だが、三河に移っても違和感を抱くことはなかっただろう。

 これに対して尾張のほうは保守性が目立つ。「石橋を叩いても渡らない」といわれるほど慎重だし、とにかく堅実なことにかけては日本一なのではないか。当然のこと、冒険を嫌うから、面白みのない経営になりがちで、目立とうともしない。ただ、それこそが実は名古屋流で、目立ってロクなことがあったためしはないという、戦国時代の体験がその土台にある。

 その代わり、コツコツとモノづくりにはげむことは得意である。お金は額に汗して稼ぐものという考え方に徹しているから、バブルともほとんど縁がなかった。それが、今日の名古屋‐愛知県の独り勝ちにつながっている。そして、その影響は三河にも及んでおり、県全体としては地味だが、いまや強烈な存在感を示しているわけだ。

愛知県人には、地味で堅実な
姿勢をアピールすること

 そういう愛知県人(三河・尾張を問わず)に対する禁句の一つは、彼らの地味さをあげつらうことである。

 もっとも、それをとやかくいわれたところで、愛知県人はいささかも動じまい。「たわけたこと言っとるわ」と、心の奥ではせせら笑っていることだろう。

 地味であったからこそ、今日の日本経済を牽引する実力を備えるようになったのは、誰もが認めざるを得ないことなのだ。

 他県人が愛知県人に対して、「自分たちは時代の最先端を行っている」などと自慢しても逆効果である。逆に、「あなたたちは腰が軽すぎるのでは」と疑念をもたれる恐れすらある。

 愛知県人の信頼を得るには、自分も地味で堅実であることをアピールするに限る。


◆愛知県データ◆
県庁所在地:名古屋市/県知事:神田真秋/人口:731万2151人(2007年2月)/面積:5161km2/製造品出荷額等:35兆8015億円(2004年)/県の木:ハナノキ/県の花:カキツバタ/県の鳥:コノハズク/県の魚:クルマエビ 

データはすべて、記事発表当時のものです

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岩中祥史 [出版プロデューサー]

1950年、愛知県生まれ。東京大学文学部卒。出版社に勤務後、独立して編集企画会社エディットハウスを設立し、現在、代表。著書に、最新刊『日本を変える「名古屋脳」』(三五館)、『アナログ主義の情報術』(梧桐書院)、『出身県でわかる人の性格』『札幌学』、『博多学』、『名古屋学』(新潮文庫)などがある。各県の気質を調査した、現代県民性評論の第一人者。

 


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