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変わりゆく大学のいま~激流の中で みわよしこ

「世界大学ランキング」は意味のない指標だった!?
 大学関係者を一喜一憂させる“大学の評価”の真実

みわよしこ [フリーランス・ライター]
【第6回】 2014年12月26日
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評価やランキングは「する」「される」いずれの立場からも気になるものだ。初めての街で食事をするとき、飲食店情報サイトの評点やランキングに対し、「所詮は素人批評」と思いつつも、やはり気にするものではないだろうか?

ここ数年、さまざまな「世界大学ランキング」が発表と同時にニュースに取り上げられるようになり「トップ100に日本の大学は何校?」「東大は何位?」といった話題を世の中に提供している。

この「世界大学ランキング」とは、いったい何なのだろう? 今回は、科学計量学の専門家へのインタビューから明らかにしていきたい。

「科学計量学」は
ランキングのための学問?

 科学計量学という学問分野をご存知だろうか? 科学研究を「計量」によって分析する学問だ。今回のテーマである「世界大学ランキング」は、まさに科学計量学と密接に関連している。

調麻佐志(しらべ・まさし)氏
東京工業大学大学院理工学研究科共通講座・准教授。1995年に東京大学大学院総合文化研究科博士課程を単位取得退学後、2002年より東京工業大学に勤務。科学計量学(科学技術計量モデルに関する理論的研究)に加え、科学技術社会論(公共技術のガバナンス)も守備範囲としている。過去には、経営システム・インターネットコミュニケーションの研究実績もある。
Photo by Yoshiko Miwa

 科学計量学を研究し続けてきた調麻佐志(しらべ・まさし)氏は、この道を選んだ理由について、

 「とにかく、データを扱っていると面白かったんです。それが、たまたま、いくつかの偶然で、今の研究対象になっている感じですね」
 と語る。

 では、科学計量学とは、どのようなものだろうか?

 「うーん……『一言で説明してください』と言われたら、『研究の評価のための学問であり、ツールです』と答えることもあります。でも、ちょっと違うんですよね。もちろん、得られた知見が評価に使われることはありえます。使い方さえ誤っていなければ、当然、使われてよいものなんです。でも、評価のためにやっているわけじゃないんです」(調氏)

 学問としての科学計量学は、2~3の論文データベース・特許データベース・学術関連のインターネット情報などを元に、科学研究の動向・研究者の行動・研究のパフォーマンスに影響を与える要因・科学予算の金額などとその相互作用を研究する学問だ。近年では、

 「出版された論文のURLをSNSに書き込んだら、どのような反応があるか」

 といった、インターネット上での活動も研究対象となっている。

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みわよしこ [フリーランス・ライター]

1963年、福岡市長浜生まれ。1990年、東京理科大学大学院修士課程(物理学専攻)修了後、電機メーカで半導体デバイスの研究・開発に10年間従事。在職中より執筆活動を開始、2000年より著述業に専念。主な守備範囲はコンピュータ全般。2004年、運動障害が発生(2007年に障害認定)したことから、社会保障・社会福祉に問題意識を向けはじめた。現在は電動車椅子を使用。東京23区西端近く、農園や竹やぶに囲まれた地域で、1匹の高齢猫と暮らす。日常雑記ブログはこちら


変わりゆく大学のいま~激流の中で みわよしこ

大学、大学院を卒業しながらも、安定的な職に就くことができない、高学歴ワーキングプア、非正規博士…が増加し続けている。そうした背景にあるのが、「大学」自体の混乱だ。少子化による学生の減少、大学乱立による入学者不足による経営難、国立大学の法人化、研究資金の削減…などきりがない問題を抱えるいま、大学はどうこの苦難を乗り越えようとしているのだろうか。本連載では、変わりゆく・変わらざるを得ない大学の「現在」を、関わる人々の姿や言葉とともに紹介していく。

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