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魚食王国ニッポン~元気をつくる「浜のめし」 池田陽子

絶対不可能と言われた「しらうお」の活魚化を
苦節25年で成功させた“青森のガリレオ”

池田陽子 [食文化ジャーナリスト/薬膳アテンダント]
【第6回】 2015年1月5日
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しらうおの刺身、かき揚げ、卵とじなどが堪能できる「しらうおづくし定食」(1800円)

 しらうお漁獲量日本一を誇る、青森県東部に位置する東北町・小川原(おがわら)湖。全国一の漁獲量である、しらうお、わかさぎ、そして大和しじみや、天然うなぎ、もくずがになど、多種多様な魚介類が、古くから地域の生活や文化を支えてきた。

前回お伝えしたように、私をはじめ全国的にも多くの人が小川原湖のことをまったく知らない。かの有名な十和田湖をしのぐ、青森でいちばん大きい湖にもかかわらずだ。

 そんな小川原湖のブランド力と知名度を強化するために選ばれたのが、料亭や割烹などにも卸されている高級魚の「しらうお」だった。

水揚げ後すぐ死んでしまう「しらうお」を
陸で生かすことに成功したえび蔵さん

 東北町にはおそらく「日本一しらうおに情熱を燃やしている」人物がいる。市内のレストラン「えび蔵」店主である蛯名正直さん。地元の特産をいかした町づくりがしたいという想いから、しらうおに注目。研究を重ねてきた。

 そのうえ、さらにはなんと、「絶対に不可能」と言われていたしらうおを生かす技術に日本で初めて成功。水揚げしたらすぐに死んでしまうしらうおを、なんと約140日生存させることに成功したばかりか、さらには生きたまま発送することまで実現してしまったのだ。

 「日本一の漁獲量を誇る、小川原湖のしらうお。さらにその価値を高めるために、生きた状態で楽しんでもらえないだろうかと思ったんです」と語る蛯名さん。しらうおの活魚化を思い立った当時は、横浜の老舗すき焼店の料理長として腕を振るっていた。いつかは、愛する故郷で自分の店を開き、しらうおを提供できればと夢を温め続け、しらうおの生態を地道に調べ続けた。

 そして地元に戻り、ついにレストランをオープン。「しらうおを生きたままテーブルにのせる」という決意を胸に、本格的にしらうおへの活魚化を進めるべく取り組みをスタートした。

 研究にあたって、蛯名さんは東京大学のしらうおの権威である教授のもとにも意見をうかがうべく、足を運んだ。

 教授はキッパリ言った。

 「しらうおの活魚化は期待しないほうがいい」

 しかし、蛯名さんはあきらめない。

 「生きていたものが、いきなり死ぬわけがない」

 確かに、おっしゃるとおりである。高校時代は生物部に所属。テーマは「小川原湖のプランクトン」。小川原湖の調査研究にかけては筋金入りである。

 蛯名さんの挑戦がはじまった。

 しかし、やっぱりことはそう簡単ではなかった。

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池田陽子[食文化ジャーナリスト/薬膳アテンダント]

宮崎生まれ、大阪育ちのアラフォー。立教大学卒業後、出版社にて女性誌、ムック、機内誌などの編集を手がける。取材を通して、カラダとココロの不調は食事で改善できるのでは?という関心から国立北京中医薬大学日本校に入学し、国際中医薬膳師資格取得。自身の体調の改善、美容効果などをふまえてふだんの暮らしの中で手軽に取り入れられる薬膳の提案や、漢方の知恵をいかしたアドバイスを、執筆、講習会などを通して行う。また、日本各地の食材を薬膳的観点から紹介する活動も積極的に取り組み、食材の新たな魅力を提案、発信を続け、食文化ジャーナリストとしての執筆活動も行っている。著書に「ゆる薬膳。」(日本文芸社)「缶詰deゆる薬膳。」(宝島社)、「『ゆる薬膳。』はじめたらするっと5kgヤセました!」(青春出版社)などがある。
■HP:www.yuruyakuzen.com
■Facebook:https://www.facebook.com/yoko.ikeda.79

また、鯖をこよなく愛し、日本全国・世界のさば、さば料理、さば缶を楽しみ、さば文化を語り、さばカルチャーを発信し、さばで日本各地との交流をはかることを趣旨に活動している「全さば連」(全日本さば連合会)にて外交担当「サバジェンヌ」としても活動中。
■全さば連HP:http://all38.com
■FACEBOOKページ:http://www.facebook.com/mackerel.cava  

 


魚食王国ニッポン~元気をつくる「浜のめし」 池田陽子

和食が世界遺産に認定され、改めて見直される「魚食文化」。日本各地にはさまざまなおいしい魚が水揚げされ、地元ならではの「魚料理」があります。この連載では日本各地の各種魚の産地を訪ね、「とっておきの漁師料理/ご家庭の魚料理/ご当地魚グルメ」を紹介。あわせて漁の様子、市場の風景など、おいしい「浜のめし」を支える人々の活躍をお届けします。

「魚食王国ニッポン~元気をつくる「浜のめし」 池田陽子」

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