ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進

アイデアマン、高学歴エリート社員は向いてない!?
憧れの「企画部」は企画をしない便利屋だった

秋山進 [プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役]
【第10回】 2015年1月6日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

「クリエイティブな人だから、企画部向き」は間違い
世間の認識とズレる企画部の仕事

 サラリーマン時代。本部の商品企画部で仕事をしていると、現場部署の部長達から

 「うちの部の○○くんは企画が得意だから、君のところでどうだろう?」

 と何度も打診された。何のことはない。

 「能力の高い社員なのだが、自分や周りの人達と折り合いが悪い。このまま関係が悪化して辞められると困るから、企画部で引き取ってくれないか?」というのが彼らの本音なのである。

 こういった場合、私は大抵「そうですねぇ」とお茶を濁して、丁重に申し出を断った。部下を他部署に押し付けることの是非はさておき、「企画が得意」「企画力がある」と現場の部長が言うほとんどの人は、本部の企画向きではないからである。

 この場合に彼らが言う「企画が得意」とは、他人が思いつかないような新しいアイデアを持っている、いわゆる「クリエイティブ」な人のことだ。良いアイデアを思いつく人だから企画向きというのが、世間一般の認識ではないだろうか。

 しかし、本部の「企画部」の社員に求められている「企画力」とは、そういうものではない。現場の情報を収集・整理して、経営陣の意向も加味したうえで、軸を明らかにして、わかりやすい資料を作り、より正しい意思決定へと導くこと。つまり、事務処理能力が高く、論理的思考ができ、実現可能な選択肢を作る能力なのだ。そのプロセスには面白みや突飛なアイデアはあまり必要ない。「プランニング力」と言い換えてもよいかもしれない。現場と本部で言う「企画」の意味は随分違うのである。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

秋山 進 [プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役]

リクルート入社後、事業企画に携わる。独立後、経営・組織コンサルタントとして、各種業界のトップ企業からベンチャー企業、外資、財団法人など様々な団体のCEO補佐、事業構造改革、経営理念の策定などの業務に従事。現在は、経営リスク診断をベースに、組織設計、事業継続計画、コンプライアンス、サーベイ開発、エグゼクティブコーチング、人材育成などを提供するプリンシプル・コンサルティング・グループの代表を務める。京都大学卒。国際大学GLOCOM客員研究員。麹町アカデミア学頭。

著書に『「一体感」が会社を潰す』『それでも不祥事は起こる』『転職後、最初の1年にやるべきこと』『社長!それは「法律」問題です』『インディペンデント・コントラクター』『愛社精神ってなに?』などがある。


組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進

日本には数多の組織があり、多くの人がその中に属しています。組織は、ある目的のために集まった人たちで成り立っているにも関わらず、一度“病”にかかれば、本来の目的を見失い、再起不能の状態へと陥ります。しかも怖いのが、組織の中の当人たちは、“病”の正体が分からないどころか、自分たちが“病”にかかっていることすら気づけない点です。

この連載では、日本の組織の成長を阻害している「組織の病気」を症例を挙げて紹介。コンプライアンスの観点から多くの企業を見てきた筆者が考える治療法も提示します。

「組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進」

⇒バックナンバー一覧