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トンデモ人事部が会社を壊す

「もう人事部門には頼まない」
トレーニングのビジネス部門への移管が
人事部門の存在意義を消失させる

山口 博
【第14回】 2015年1月13日
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企業における社員の能力開発を推進する役割が、人事部門から、ビジネス部門へ移行している。多くの人事部門が、型にはまった、お仕着せの能力開発しかしないことに、ビジネス部門が業を煮やしているからだ。

 「理論と学説ばかりの講釈で、寝てしまった」。大半の社員たちは、企業内トレーニングをつまらないと感じているものだ。問題は、講義の内容にある。「事例は多少あるものの自社のものではないので、ピンとこなかった」「その場では理解したが、実践のビジネス活動に役立たない」――。

 こうした状況改善にお役に立てればと昨秋、企業における能力開発手法をご紹介するためのワークショップ開催のご案内したところ、案内日からわずか2日間で、銀行、商社、メーカーなど80社の管理職級100名余の方々から参加の申し込みをいただいた。能力開発に対する高いニーズがあることを、あらためて認識した出来事であった。

 しかし、参加者の面々は、こちらの予想とは大きく違っていた。人事担当や人材開発担当といった人事部門関係者の申し込みを想定していたのだが、蓋を開けてみれば、95%は営業部や事業部などビジネス部門の関係者だったのだ。

 参加の理由を問うと、「自社の人事部門のプログラムでは業績伸展は見込めないので」という声のほか、「人事部門にまかせておけない」、「能力開発が人事部門からビジネス部門に移管されたので」参加した――などという答えが返ってきた。

「トレーニングは人事部門には頼まない」
ビジネス部門にはびこる人事部不信

 本当に人事部門関係者は、能力開発に興味がないのだろうか?国内企業や外資系企業の人事部門の責任者の方々へ、さらに個別にご案内をしてみたが、返ってきたのは、やはり不参加という返事だった。

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山口 博

やまぐち・ひろし/慶應義塾大学法学部政治学科卒(サンパウロ大学法学部留学)、長野県上田市出身。国内大手保険会社課長、外資系金融保険会社トレーニング・シニア・マネジャー、外資系IT人材開発部長、外資系企業数社の人事部長、人事本部長歴任後、現在、コンサルティング会社のディレクター。横浜国立大学大学院非常勤講師(2013年)、日本ナレッジ・マネジメント学会会員。近著に『チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社、2016年3月)がある。

 


トンデモ人事部が会社を壊す

サラリーマンの会社人生のカギを握る人事部。しかし近年、人事部軽視の風潮が広まった結果、トンデモ人事部が続々と誕生している。あっと驚く事例をひもときながら、トンデモ人事部の特徴や、経営陣がすべき対処法などを探っていく。

「トンデモ人事部が会社を壊す」

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