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電車内痴漢で被害者まで責められるのはなぜ?
週刊誌も問題提起した「認識の差」に潜む論理

小川 たまか
2015年1月9日
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昨年12月下旬発売の週刊誌『AERA』で、「責められるのは被害者なのか 女性が声を上げにくい構造が痴漢を生む」というタイトルの記事が掲載された。執筆したのは、漫画家でライターの田房永子さん。この記事は一部がネットのニュースでも紹介されたことから、大きな話題となった。一方で、女性専用車両の賛否が議論されるとき、たまに聞かれるのが「痴漢に遭うのが怖いと言うのは自意識過剰ではないか」といった声だ。「電車内での痴漢行為」、その実態に関する認識は男女間で差があるのではないか。田房さんらに取材した。(取材・文/プレスラボ・小川たまか) 

服装が派手だから痴漢に遭う?
責められるのは被害者なのか

 「責められるのは被害者なのか 女性が声を上げにくい構造が痴漢を生む」

 昨年12月22日発売の週刊誌『AERA』(朝日新聞出版)に、このようなタイトルの記事が掲載された。この記事は、一部がヤフートピックスでも紹介されたことから大きな話題となり、世の中で「痴漢」に関する議論を改めて盛り上げるきっかけの1つとなった。

 今回は、このトピックをベースとして、決して許されない卑劣な犯罪である痴漢に対し、男女の別や立場の違いによって「認識の差」が生じるのはなぜか、痴漢被害で本当に責められるべき人、守られるべき人は誰なのかについて、論じたい。

 同記事で取材・執筆を担当した田房永子さんは、こう書いている。

 「(痴漢犯罪は)他の犯罪とは違う独自の論理が世間に浸透しているのではないか。被害者の服装や行動ばかりが取り沙汰され、加害者の生態に触れないのは、その表れではないのか」

 記事では、警察庁が発表した『電車内の痴漢撲滅に向けた取り組みに関する報告書』(2011年)では、痴漢加害者が被害者を狙った理由として「服装が派手だったから」と答えた人がわずか1.8%だったのにもかかわらず(最も多かったのは「偶然近くにいたから」の50.7%)、女性に注意を促す空気ばかりが先行することを指摘。また、加害者がなぜ犯罪に及んでしまうのかについての情報が少なく、犯罪防止の対策として不十分であることから、加害者への取材も行っている。

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